1998 Fiscal Year Annual Research Report
膜型混合バイオリアクターとビフィズス菌特異的増殖因子を利用した生菌製剤の生産
Project/Area Number |
09650870
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 教授 (00163634)
|
Keywords | 混合培養 / プロピオン酸菌 / ビフィズス菌 / 増殖因子 / バイオリアクター / 生菌製剤 |
Research Abstract |
本研究では,膜型混合バイオリアクターシステムとプロピオン酸菌の生産するビフィズス菌特異的増殖促進物質(BGS)とを利用した、生菌製剤としてのビフィズス菌の効率的生産法を開発することについて検討した。本研究において得られた結果は,以下のようにまとめられる。 1. 膜型混合バイオリアクターシステムを用いた透析培養によってビフィズス菌を生産した結果,使用した培地量に比例して多くの菌体を得ることができた。この時得られた菌体濃度は,通常の回分培養に比べて高くなった。 2. ビフィズス菌培地にプロピオン酸菌培養上澄液を流加しながら,ビフィズス菌を培養した結果,上澄液を添加しない場合に比べてビフィズス菌を多く生産できた。したがって,ビフィズス菌の生産にとってプロピオン酸菌培養上澄液は有効であることがわかった。 3. プロピオン酸菌は,ラクトースやグルコースなどの糖質に比べて,乳酸の発酵速度が速いことがわかった。したがって,糖を炭素源としてビフィズス菌と混合培養することによってプロピオン酸菌の増殖が促進されると推定された。 4. 模型混合バイオリアクターシステムを用いてビフィズス菌とプロピオン酸菌との混合培養を行った結果,同体積の培地を用いた場合にはビフィズス菌は単独培養に比べて約2倍濃度まで生育した。また,プロピオン酸菌は単独培養に比べて半分の時間で同じ菌体濃度に達した。
|