1998 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドを用いる特異的溶離による生理活性タンパク質の高品位精製
Project/Area Number |
09650873
|
Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 滋雄 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (20026272)
|
Keywords | 免疫アフィニティクロマトグラフィー / 抗ペプチド抗体 / ペプチド抗原 / 特異的溶離 / タンパク質失活 |
Research Abstract |
生理活性タンパク質は製品の活性が重要であり、またきわめて高い純度が要求される。このような生理活性タンパク質を極めて穏和な条件下で、その活性に全く影響を与えず溶離するため、免疫アフイニテイ抗体リガンドの設計と、特異的な溶離法の開発を行うことを目的とした。すなわち、タンパク質の特定部位と結合する抗ぺプチド抗体をリガンドとし、その結合を抗原として用いたぺプチドを含む液によって競合的に溶離し、生理活性タンパク質の安定な条件から変えることなく分離する新しい手法を開発することとした。 まず、酵母分泌生産イネα-アミラーゼ、ヒトCD2タンパク質およびインスリンを対象とし、これらのC末端およびN末端のアミノ酸配列に相当するペプチドを合成し、これを抗原として免疫して得た抗ペプチド抗体の抗原ぺプチド、および対象タンパク質のアフィニティ吸着特性を検討した。そした、これらの抗ペプチド抗体は抗原ペプチドはもちろん、対象タンパク質ともアフィニティ精製に充分な強度で結合することを明らかとした。また、抗原ペプチドに類似した様々なペプチドを合成し、これらと取得抗ペプチド抗体との相互作用を検討し、抗体認識部位と吸着特性の関連を明らかにした。 ついで、これらの抗体をリガンドとして固定化したカラムでイネα-アミラーゼおよびインスリンを吸着し、溶離することによって高い純度にアフィニティ精製できた。さらに、抗原として用いたペプチドを含んだ溶離液を用いることによって吸着タンパク質を特異的に競合溶離することかできた。溶離にpH変化やイオン強度変化を利用する非特異的溶離の場合と比べて、タンパク質の失活を起こさない穏和な条件で溶離することかでき、高活性・高純度であった。この際ペプチド濃度はあまり溶離特性に影響しないことが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Shigeo Katoh: "Utilization of Anti-Peptide Antibodies as Affinity Ligands in Immunoaffinity Purification" J Chromatogr.B. 715巻2号. 147-152 (1998)
-
[Publications] Naofumi Shiomi: "Production and Purification of Soluble Human CD2 Secreted from Recombinant Pichia pastoris" Process Biochem.33巻4号. 377-383 (1998)
-
[Publications] Shigeo Katoh: "Purification of Recombinant Proteins by Anti-Peptide Antibodies" Proceedings of the 4th Asia-Pacific Biochemical Engineering. 875-878 (1997)