1997 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分子の存在形態の認識とダウンストリームプロセスへの応用
Project/Area Number |
09650883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
矢木 秀治 関西大学, 工学部, 教授 (70109891)
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Keywords | タンパク質 / リフォルディング / 分離精製 / 凝集 / 疎水性相互作用 |
Research Abstract |
リフォルディング過程では避けなければならない分子レベルの凝集の機構,速度は不明な点があるが,その特徴を認識し,バイオプロセスに有効な膜分離法の弱点である類似の分子量の物質の分離への応用を目指した.凝集の防止と意識的利用の両観点から,次の実験的検討を行った. 1.変性,凝集,再活性化タンパク質の平衡分離 変性タンパク質からのリフォルディング過程において共存する再活性化するタンパク質とリフォルディングできないタンパク質の表面の疎水性の違いに着目し,疎水性クロマトグラフ用担体との吸着特性を測定した.回分式吸着において再活性できるタンパク質はほとんど吸着せず,変性したままのものが選択的に吸着した。その担体を充填した小型カラムクロマトグラフィーにおいて両タンパク質に担当する。明確な2つのピークが現れ,分離が可能であった。 2.限外ろ過による類似の分子量のタンパク質の分離 タンパク質より文画分子量がはるかに大きいセラミック支持体でろ過し,通常阻止率は0%となるが,タンパク質のクラスターを発生させることで,いわゆる,ダイナミック膜が形成され,透過を阻止できる条件を見つけた。この膜の性質と操作条件との検討の結果,pHや液流速が影響するとともに,ゲル発生機構のひとつが関与していることがわり,その反応の制御により,膜形成を可逆的に扱うことができた。タンパク質により,異なった反応速度を作り出すことでタンパク質どうしの分離の可能性が得られた。 3.複数のアミノ酸の共存下での晶析 上記の研究の補完的知見をえるため,タンパク質の構成要素であるアミノ酸どうしの相互作用についての結晶化過程に及ぼす共存アミノ酸の影響についても製品結晶への他結晶の含有について検討した。
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