1998 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分子の存在形態の認識とダウンストリームプロセスへの応用
Project/Area Number |
09650883
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
矢木 秀治 関西大学, 工学部, 教授 (70109891)
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Keywords | タンパク質 / リフォルディング / 凝集 / ダイナミック膜 / 疎水性相互作用 |
Research Abstract |
リフォルディング過程では避けなければならないが、ダイナミック膜形成に利用できる分子レベルの凝集の特徴を認識し,リフォルディング過程にある酵素リゾチームの分離とリフォルディング効率の上昇およびタンパク質のダイナミック膜による類似の分子量のタンパク質との分離を目指し、次の実験的検討を行った. 1. 変性,凝集,再活性化タンパク質の分離プロセスの開発 前年度の研究で得られた疎水性坦体への吸着平衡関係をより詳細に検討し,ニューラルネットワーク法により、最適な吸着条件およびカラムクロマトグラフィーにおける溶出条件を探査した。また、分取カラムクロマトグラフィでリフォルディング過程にある存在状態の異なった同一の酵素の分離を行い,再活性化できなかった酵素をカラム内に残留させ、再活性化した酵素のみ回収することが可能になった. 2. タンパク質のダイナミック膜による限外ろ過と類似分子量タンパク質の分離 分画分子量300,000のセラミック支持体上に卵白アルブミン(分子量:約45,000)のダイナミック膜を安定的に作製できる技術を開発した。α-アミラーゼ(分子量:45,000〜55,000)との混合水溶液の限外ろ過を行ったところ、膜形成物質の阻止率は0.95以上であるが、共存した分子量の類似したα-アミラーゼは、同支持体を用いて、単独でろ過した場合より透過が阻止されたが、約半分が透過した。その結果、膜形成タンパク質は液中で分子レベルで凝集し、膜透過に関しては巨大な分子として挙動することが判明した。
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