1997 Fiscal Year Annual Research Report
高効率固相化学発光反応場の構築及び化学発光センサー素子への応用
Project/Area Number |
09650894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 正昭 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (10087322)
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Keywords | 化学発光 / センサー素子 / 活性酸素 / 塩基性金属過酸化物 / 陰イオン交換樹脂 / 活面活性剤ニ分子膜 / ルミノール / ルシゲニン |
Research Abstract |
平成9年度の研究実施計画は次のような検討項目から成っている。 1.高活性塩基触蝶を用いる固相反応場の構築、 2.機能性界面活性剤ニ分子膜を用いる固相反応場の構築、 3.固相反応場のキャラクタリゼーション;各検討項目について以下に研究実績を記す。 1.(1)種々の塩基性金属酸化物を30%過酸化水素に浸すことにより過酸化物にし、その表面上に活性酸素の生成を試みた。その結果、マグネシウムとバリウムの過酸化物がアルカリや酸化剤を必要としない固相の化学発光反応場として有用であることが明らかになった。(2)種々の強塩基性陰イオン交換樹脂にルミノールをイオン交換により固定化し、センサー素子としての性能を検討した。その結果、最も感度、応答性の優れているイオン交換樹脂としてアンバーライトA-26を選択した。 2.固相マトリックスとしてポリスチレン、ゾル-ゲルシリカ、あるいはパラフィンを利用し、その表面に界面活性剤ニ分子膜とオクタデシル基の付いたMn(III)-ポルフィリン触媒を固定化することによりアドレナリンセンサー素子を試作した。 3.(1)ESRスペクトル測定によりマグネシウムとバリウム過酸化物上にはそれぞれ活性酸素種としてOH及びO_2^-ラジカルが存在し、ルミノール(検出下限 3x10^<-11>M)及びルシゲニン(検出下限 3x10^<-12>M)がそれぞれ高感度に検出できた。(2)強塩基性陰イオン交換樹脂A-26にルミノールを固定化したセンサー素子を用いることにより窒素中の超微量酸素ガス(検出下限 20ppb)のモニターが行えることを明らかにした。(3)パラフィンを利用すると感度と応答の直線性の点でポリスチレンやゾル-ゲルシリカにやや劣るが、非常に安定な素子が得られた。特に、分子集合体としてミセルを形成する界面活性剤も利用できるので適用範囲の拡大が図れる。
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Research Products
(1 results)