1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70201621)
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Keywords | 二酸化炭素 / 酸化ジルコニウム / 光触媒 / 光還元 / 環境触媒 / 水素 / メタン / 逆水性ガスシフト反応 |
Research Abstract |
穏和な条件下で炭酸ガスを固定化することのできる光触媒の探索を行った結果,酸化ジルコニウムが水素ガスにより炭酸ガスを一酸化炭素に光還元する有効な触媒であることが見いだされた.類似の系としてチタニア担持ロジウムが水素により炭酸ガスをメタンまで還元することが知られているが,これは,熱的に起こる反応を光照射により促進するというもので本質的に光触媒ではなかった.酸化ジルコニウム上で水素,炭酸ガスを原料とする表面中間体が生成しすることが見いだされた.この中間体はギ酸イオンであり,ぎ酸イオンが二酸化炭素と反応し一酸化炭素,二酸化炭素,水酸基に変換されることがわかった.また,この中間体は400℃以上の加熱で分解し,一酸化炭素と水酸基を生成することも見いだされた.この反応は,酸化ジルコニウムのバンドギャップ以下のエネルギーを持つ250-350nmの光照射によっても進行する.吸着二酸化炭素が表面錯体となって吸収エネルギーのシフトを促したものと考えられる.この場合,二酸化炭素は電子ドナーあるいはアクセプターとして働いていることが考えられる.本反応系は,二酸化炭素吸着種の2電子還元によるギ酸イオンの生成と,ギ酸イオンによる二酸化炭素の還元という2段階の反応であるものと結論された.さらに,還元剤として水素の代わりにメタンを用いても類似の反応が起こり一酸化炭素が生成されることが見いだされた.メタンによる光還元反応においても安定中間体の存在が示唆されているが,現在はまだその同定にまでは至っていない.
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[Publications] Y.Kohno, T.Tanaka 他: "Photoreduction of Carbondioxide with Hydrogen over ZrO_2" J.Chem.Soc.,Chem.Comun.841-842 (1997)
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[Publications] Y.Kohno, T.Tanaka 他: "Photoreduction of Carbondioxide with Methane over ZrO_2" Chem,Lett.993-994 (1997)