1997 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学走査型トンネル顕微鏡によるリチウム二次電池炭素負極表面反応の解析
Project/Area Number |
09650903
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿部 武志 京都大学, 工学研究科, 助手 (80291988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久見 善八 京都大学, 工学研究科, 教授 (60110764)
稲葉 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80243046)
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Keywords | リチウム二次電池 / 負極 / 炭素材料 / 走査型トンネル顕微鏡 / サイクリックボルタンメトリー / 被膜形成 |
Research Abstract |
本研究では、リチウム二次電池の負極反応の基礎研究として、高配向性熱分解グラファイトへのリチウム挿入反応に伴うリチウムイオン伝導性被膜の形成機構を走査型トンネル顕微鏡を用いて調べることを目的とした。被膜形成反応は用いる電解液によって異なることが予測され、まずサイクリックボルタンメトリーを用いて種々の電解溶液中での高配向性熱分解黒鉛劈開面の電気化学的特性を調べた。電解液としては、1Mの過塩素酸リチウムを電解質として含む炭酸エチレン-炭酸ジエチル混合溶液、炭酸エチレン-ジメトキシエタン混合溶液、炭酸プロピレンを用いた。その結果、初回のサイクルでは、いずれの電解液でも還元電流が1V付近から流れており、電解液の分解が生じていることが分かった。しかし、炭酸プロピレン以外の電解液を用いた場合、第2サイクルではその還元電流が認められなかった。このことから、炭酸エチレン-炭酸ジエチル混合溶液、炭酸エチレン-ジメトキシエタン混合溶液を電解液として用いた場合、安定な被膜が高配向性熱分解黒鉛上に生成していることが考えられる。炭酸プロピレンでは、第2サイクル以降も還元電流が流れ続け、安定な被膜が形成されないことが示された。走査型トンネル顕微鏡観察の結果では、サイクリックボルタンメトリーの結果と非常に良い一致を示した。すなわち、炭酸プロピレンを用いた場合には、黒鉛層の剥離が起こり続け、リチウムの挿入反応が認められなかった。また、その他の電解液の場合では、被膜形成は溶媒和リチウムイオンが黒鉛層間に侵入し、その後、溶媒和リチウムイオンが分解し、被膜を形成しているものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Minoru Inaba et al.: "Electrochemical STM Analysis of the Surface Reactions on Graphite Basal Plane in Ethylene Carbonate-Based Solvents and Propylene Carbonate" Journal of Power Sources. 68. 221-226 (1997)
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[Publications] A.Funabiki et al.: "AC Impedance Analysis of Electrochemical Lithium Intercalation into Highly Oriented Pyrolytic Graphite" Journal of Power Sources. 68. 227-231 (1997)