1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650905
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 大阪大学, 工学部, 講師 (30192503)
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Keywords | アンモニア / センサ / 固体電解質 / ガレート / アンモニウム |
Research Abstract |
NH_2^+-Ga_<11>O_<17>を固体電解質にPr_2(SO_4)_3・(NH_4)_2SO_4を固体参照極に用いたセルでは水蒸気濃度の変化に対して、センサ出力には変化が見られなかった。これは、固体参照極が無水物であるために水蒸気に応答しなかったことが考えられる。固体電解質としてNH_4^+-Ga_<11>O_<17>を用いた水蒸気濃淡電池の起電力測定から0.074vol%以上の水蒸気濃度範囲では起電力値が直線的に変化し、この場合の反応電子数はn=1.90となった。これは固体電解質中をプロトンが伝導していると考えたときのNernst式より求めた傾き(n=20)とほぼ一致する。一方、参照極としてMg_3(PO_4)_2・8H_2Oを用いたセルの起電力変化からも0.074vol%以上で同様の変化(n=2.38)が見られた。これらの起電力変化は固体電解質中をプロトンが伝導していると考えたときのNernst式より求まる起電力変化と近いことから、NH_4^+-Ga_<11>O_<17>はNH_4^+イオン伝導体ではあるが、0.074vol%以上の水上気濃度においてはプロトン伝導を示すことが考えられる。このプロトンは測定中に固体電解質が水蒸気にさらされることによりNH_4^+がH_3O^+に交換されたためと考えられ、その結果、固体電解質NH_4^+-Ga_<11>O_<17>は純粋なNH_4^+イオン伝導体でなく、NH_4^+/H_3O^+混合伝導体であると考えられる。これらのことから、水蒸気共存下では固体電解質中をプロトンが伝導するため参照極中に水蒸気が存在するとNH_3検出に際し、大きく影響を受けるが、固体参照極として一定のNH_3分圧を発生し、かつ無水物となるPr_2(SO_4)_3・(NH_4)_2SO_4を用いることにより、水蒸気の影響を未然に防ぐことが可能であることが明かとなった。
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