1997 Fiscal Year Annual Research Report
水素製造機能を持つ高効率固体電気化学リアクターの検討
Project/Area Number |
09650908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江口 浩一 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00168775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関澤 好史 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20253536)
大瀧 倫卓 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50223847)
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Keywords | 水蒸気改質反応 / 固体酸化物燃料電池 / 内部改質 / 高分子電解質燃料電池 / 水性ガスシフト反応 / 電極触媒 / CO選択酸化反応 / メタノール |
Research Abstract |
固体酸化物燃料電池(SOFC)は、水素以外にも炭化水素系燃料を直接導入して改質反応により内部で水素を製造し発電できる点が他の燃料電池に比べて際立った特長だが、内部改質型SOFCの実作動例のデータは極めて乏しい。本年度は、メタンとメタノールを燃料とした内部改質型SOFCの発電特性を調べるとともに、固体高分子電解質型燃料電池への直接供給を目的とした改質ガスからのCOの選択的除去法について検討した。 メタンの水蒸気改質反応CH_4十H_2→CO十3H_2において、炭素析出を避けるためには、H_2O/CH_4は比少なくとも1.0以上である必要がある。一方、多量のH_2Oを添加すれば炭素の析出は抑制できるが、極端に水蒸気が多くなると発電特性は低下する。電池外部の改質器で予め改質したガスを供給する外部改質のほうが、内部改質よりも開回路電圧と過電圧の両方で優れていることが分かった。これは、外部改質ではCH_4がほぼ平衡転化率に達しているのに対し、改質反応と電極反応が電極触媒上で同時に進行する内部改質の場合、アノードとして用いられているNi-YSZサ-メットの量は改質触媒としては不足なため、平衡転化率に到達しにくいためと考えられる。一方、メタノールを燃料とする場合、H_2が生成する経路には水蒸気改質反応以外に熱分解反応がある。発電条件である1000℃では、メタノールが熱分解反応CH_3OH→2H_2+COによってH_2にほぼ100%転化することが分かった。大量のH_2Oを供給しなくても炭素析出などが発生しないためメタンを燃料とする場合に比べて高い発電出力が得られるので、電極に直接供給する燃斜としてはメタンよりメタノールのほうが適当と考えられる。さらに、改質ガス中の微量のCOを除去するためには水性ガスシフト反応と選択的酸化反応の組み合わせが有効であり、特にCu/ZnO-Al_2O_3系複合酸化物蝕媒が優れていることがわかった。
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[Publications] K.Sekizawa,S.Yano,K.Eguchi,H.Arai: "Selective Removal of CO in Methanol Reformed Gas over Cu-supported Mixed Metal Oxides" Applied Catalysis,A:General. (印刷中). (1998)