1998 Fiscal Year Annual Research Report
集光式浮遊帯溶融法による酸化物ファイバー単結晶の育成
Project/Area Number |
09650917
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 幹雄 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (40198990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 絋平 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (60002002)
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Keywords | ファイバー単結晶 / 集光式浮遊帯溶融法 / 酸化物 / レーザー材料 / バナジン酸イットリウム / 転位密度 |
Research Abstract |
種々の光学デバイスにおいて、結晶径を微細化することによって結晶内に光が閉じこめられ、高効率でのレーザー発振や波長変換などが実現できる。本研究では、これまでバルク結晶の作製法としてのみとらえらてきた集光式浮遊溶融法を酸化物ファイバー単結晶の育成に応用した半導体レーザー励起固体レーザー結晶として注目されているNd:YVO_4をモデル材料に選び、より微細な口径をもつ結晶を得るための条件を確立するとともに口径と品質との関係について検討した。 細口径化に伴って、溶融帯を安定に保つためには原料棒の口径もそれに応じて補足する必要があり、原料棒径/結晶径≦3がおおよその限界であった。とくに、口径1mm以下の場合にはその比を2程度にする必要があった。これを実現するためには、いったん単結晶を高速で作製し、これを研削加工によって細くした均一な口径をもつ原料棒の使用が必要であった。現有の双楕円型赤外線集中加熱装置では0.8mmが得られている最小の口径であった。さらなる細口径化は現有装置よりもはるかに集光効率のより四楕円型装置を使用することにより可能と考えられる。品質に関しては、口径3mmを境にして転移密度の急激な減少が認められた。口径3mmの結晶を詳細に検討したところ、育成の進行に伴い転位の自発的な減少が観察された。口径の減少に伴う熱応力の緩和が結晶の高品質化に大きく寄与しているものと考えられる 以上のように、本研究において、集光式浮遊帯溶融法による酸化物ファイバー単結晶育成のための基本技術が確立されるとともに、得られた結晶の品質は細口径化により、飛躍的に向上することが明らかとなった。また、この手法は従来のファイバー単結晶育成法であった材料にも応用可能と考えられる
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