1997 Fiscal Year Annual Research Report
光アシストプロセスによるゾル-ゲル薄膜の高機能化と微細パタ-ニング
Project/Area Number |
09650930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
峠 登 近畿大学, 理工学部, 教授 (00081315)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 化学修飾 / 光感応性 / 微細パタ-ニング / 薄膜 / 選択着色 / 光アシストプロセス |
Research Abstract |
β-ジケトンで化学修飾された金属アルコキシドから生成するゲル膜は光感応性を有し、紫外線照射によってその特性が大きく変化する。この現象を利用すると薄膜の微細パタ-ニングが可能であり、またプロセスの低温化が期待できる。本研究は、光アシストプロセスという新たな概念の基に、ゾル-ゲル薄膜の高機能化と微細パタ-ニングプロセスの確立を目的として行ったものであり、本年度の研究を通して以下のような成果を得た。 1)種々のβ-ジケトンで化学修飾されたAl-アルコキシドから生成するゲル膜について、光応答特性に対するβ-ジケトンの種類の影響を検討した。その結果、ベンゾイルアセトンで化学修飾されたゲル膜が大気中で安定で、しかも高圧水銀灯からの紫外線に対して最も高感度であることを見いだした。 2)化学修飾されたAl-アルコキシドと部分加水分解されたTEOSから生成するAl_20_3-SiO_2二成分系ゲル膜において、30モル%以上のAl_2O_3を含むゲル膜が光感応性を有し、微細パタ-ニングが可能であることを明らかにした。この結果は、化学修飾されたゲル膜を用いて多成分系酸化物薄膜も直接パタ-ニングできることを示している。 3)化学修飾されたPLZTゲル膜に対する紫外線およびエキシマレーザの照射効果を明らかにし、これらの強誘電体薄膜においても微細パタ-ニングが可能であることを見いだした。 4)マスクを通して紫外線を照射した光感応性ZrO_2ゲル膜上に色素を含むSiO_2ゲル膜を形成したのち、リンスを行うと、紫外線の末照射部分にのみ選択的に着色することができた。さらに、その機構が紫外線照射によるゲル膜の緻密化に起因することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Tohge, G.Zhao: "Formation of Photosensitive Alumina-Based Gel Films and Their Application to the Fine-Patterning." SPIE Proc.Sol-Gel Optics IV. Vol.3136. 176-186 (1997)
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[Publications] G.Zhao, N.Tohge: "Preparation of Photosensitive Gel Films and Fine-Patterning of Amorphous Al_2O_3-SiO_2 Thin Films" Mater.Res.Bull.Vol.33 No.1. 21-30 (1998)
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[Publications] 趙 高揚、峠 登: "化学修飾されたAl_2O_3ゲル膜の光感応性に対する増感剤の添加効果" 日本セラミックス協会学術論文誌. Vol.106 No.2. 183-188 (1998)
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[Publications] 峠 登: "ゾル-ゲル薄膜の光微細加工" ニューガラス. Vol.12 No.4. 31-35 (1997)
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[Publications] G.Zhao, N.Tohge: "Fabrication and Characterization of Diffraction Gratings Using Photosensitive Al_2O_3 Gel Films." Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37 No.4(印刷中). (1998)
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[Publications] 峠 登: "光機能材料マニュアル(分担執筆)" オプトロニクス社, 530 (1997)