1997 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性1、2-ジアミンおよび1、2-アミノアルコールの新合成手法の開発
Project/Area Number |
09650933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 真 三重大学, 工学部, 助教授 (30162712)
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Keywords | オキサザボロリジン / 還元反応 / エナンチオ面選択性 / ジアステレオ面選択性 / L-トレオニン / β-イミノアルコール / 1,2-ジアミン / β-アミノアルコール |
Research Abstract |
天然には有用な生理活性を有するアルカロイド、ペプチドやβ-ラクタムをはじめとする含窒素有機化合物が数多く存在し、その多くは光学活性である。これらの化合物の合成には光学活性アミノ化合物は有用な合成中間体である。また最近光学活性1,2-ジアミンあるいは1,2-アミノアルコールが極めて有用なキラル配位子、あるいは分子内に組みこまれた不斉源として多くの不斉合成反応に用いられその簡便かつ高光学純度での合成が強く望まれている。本研究ではL-トレオニンから短工程で誘導したβ-アミノアルコールとBH_3・THFとから調製したオキサザボロリジンを触媒として用いることにより1,2-ジイミン類を高エナンチオ及びジアステレオ選択的に1段階で対応する高い光学純度の1,2-ジアミンへと還元することができた。またα-イミノケトン類のカルボニル基のみを高い収率及び光学純度でβ-イミノアルコールへと還元し、次いで還元剤を使い分け、イミノ基をジアステレオ選択的に還元することにより高選択的にsyn-またはanti-1,2-アミノアルコールをそれぞれ作り分けることができた。すなわちL-トレオニンから調製したオキサザボロリジンを触媒として用いることにより1,2-ビス(ρ-メトキシフェニルイミノ)-1,2-ジフェニルエタンは高エナンチオ及びジアステレオ選択的に還元され対応する(R,R)-1,2-ジアミンへと光学的に純粋な形で変換できることを見いだした。さらに2-ベンジルオキシイミノ-1,2-ジアリールエタノンの環元反応ではオキサザボロリジン存在下、還元剤としてBH_3・Me_2S錯体を用いることによりケトンのみが官能基選択的に還元されたイミノアルコールを高い光学純度で得ることができた。得られたイミノアルコールのイミノ基をPd触媒を用い水素添加の条件下還元することによりanti-体を、Vitrideあるいは LiAlH_4を用いることによりsyn-アミノアルコールをそれぞれ選択的に得ることができた。以上の様に本研究ではオキサザボロリジン配位子により1,2-ビス還元においてエナンチオおよびジアステレオ面選択性が高度に制御できることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Shimizu: "Enantioselective Aldol Reaction Using Bornane-2,3-diol-Alminum Complex as a Chiral Lewis Acid" Synlett. 501-502 (1997)
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[Publications] M.Shimizu: "Stereodivergent Approach to syn-and anti-2-Amino-1,2-diarylethanols Using Oxazaborolidine-Mediated Asymmetric Reduction" Tetrahedron Lett.38. 5193-5196 (1997)
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[Publications] M.Shimizu: "Stereocontrol in the Addition of Nuclepophiles to an Optically Active Aldehyde Derived from L-Serine, Leading to a Short-Step Synthesis of (2S, 3S, 4R) -Phytosphingosine" Tetrahedron Lett.38. 6027-6030 (1997)
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[Publications] M.Shimizu: "(l'S,4S)-2-Aryl-4-(l'-hydroxybenzyl)-4, 5-dihydrooxazole as a Chiral Auxiliary for the Synthesis of β-Amino Acids and β-Lactams in a Highly Stereoselective Manner" Heterocycles. 45. 1883-1889 (1997)
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[Publications] M.Shimizu: "Oxazaborolidine-Mediated Asymmetric Reduction of 1,2-Diaryl-2-benzyloxyiminoethanones and 1,2-Diarylethanediones" Tetrahedron. 54(in press). (1998)