1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650938
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20164113)
|
Keywords | フェノールの酸化 / 第3アミンの酸化 / ルテニウム触媒 |
Research Abstract |
アミン、アミド等のヘテロ原子化合物や炭化水素等の不活性基質のP-450酵素型の触媒的酸化変換反応とそれに基づく生合成型骨格構築法を開拓し、精密有機合成への展開を目的として研究を行った。低原子価金属錯体触媒と過酸化物によるP-450酵素型酸化反応の一般性と適用範囲の検討を行い、ルテニウムやオスミウム触媒存在下、種々の芳香族第3アミン、やフェノールをアルキルヒドロペルオキシドおよび過酢酸で酸化することにより窒素のα位およびフェノールのp-位に選択的にアルキルジオキシ基が導入できることを明らかにし、これらの反応に基づき、アミンの窒素のα位やフェノール由来の6員環骨格に炭素官能基を導入する新手法の開拓に成功し、これらの手法の適用基質の一般性に関して詳細に検討した。 さらに本触媒系を求核剤の存在下に含窒素化合物の不活性な窒素の隣接位に酸化的に炭素炭素結合を形成させる方法に関して検討を行った結果、ルテニウム触媒存在下、第3アミンをトリメチルシアノシランの共存下に過酢酸で酸化すると、窒素のα位にシアノ基を温和条件下に効率良く導入できることを見いだした。この手法により得られる生成物を加水分解することにより容易にアミノ酸合成が行えることを明らかにし、メチルアミンを出発原料とする生合成型のアミノ酸合成法を確立した。
|