1997 Fiscal Year Annual Research Report
フェロセン環を組み入れた新規ポルフィリン誘導体の合成とその機能性の検討
Project/Area Number |
09650947
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
泉 多恵子 山形大学, 工学部, 教授 (10007031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 龍朗 山形大学, 工学部, 助手 (50272084)
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Keywords | ポルフィリン化合物 / フェロセン環 / [2+2]縮合反応 / Soret 帯 / Q 帯 / 長波長シフト |
Research Abstract |
ポルフィリン化合物は機能性化合物として注目されているが、種々の置換基を導入することによって新しい機能性が生じることが多くの研究によって知られている。本研究は、ポルフィリン環に有機金属錯体のフェロセン環を導入した新規なポルフィリン化合物に合成すること、さらにその物性と合成反応への触媒としての利用を検討することを目的としている。ポルフィリン環合成法として知られるピロールとホルミルフェロセンによるLindsayの[1+1]縮合反応では、ピロール環が重合したと見られる黒色物が直ちに生じてしまい、ベンゼン環とフェロセン環では反応性が多いに異なることがわかった。そこでピロール環の反応性を押さえるために両方のβ-位にメチル基とエチル基を置換したピロール環を合成しそのジピロメタン誘導体より[2+2]縮合反応によってフェロセン環が相対して2個導入されたポルフィリン誘導体を32%の収率で合成した。UV-VISスペクトルにおいてポルフィリン環特有のSoret帯とQ帯が見られ、フェロセン環が導入されたことによってポルフィリン環だけの場合と比較して強度変化はないが両吸収とも長波長シフトすることがわかった。Q帯の分裂が4本から2本へ変化するのはフェロセン環の影響と考えられるが、さらにいくつかの同種のポルフィリン誘導体の比較検討をする必要がある。サイクリックボルタノグラムの測定では酸化還元電位がそれぞれ2種類ずつ現れた。ついで金属錯体の合成を行い亜鉛錯体と鉄錯体の合成を行った。亜鉛錯体の物性検討の結果UV-VISスペクトルではさらに長波長シフトが見られ、強度が増大した。合成法がほぼ確立したので今後さらに導入するフェロセン環の数を1個、3個、4個と変えてポルフィリン環の合成を行う予定である。また、合成した錯体を用いた触媒反応の検討も進める予定である。
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