1997 Fiscal Year Annual Research Report
N-末端に生物活性基を結合したペプチド型抗ウイルス剤の開発
Project/Area Number |
09650968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
千葉 卓男 秋田工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70006336)
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Keywords | 抗ウイルス剤 / 融合ペプチド / アセトアセチルトリペプチド / HIV / RSV / ジケテン |
Research Abstract |
ウイルス感染の発現は宿主細胞への吸着・融合に始まるため,水際作戦となる吸着阻害剤の開発はウイルスの感染を初期の段階で抑えて早い時期に免疫機能を高め病気の拡大を防ぐことになる.ウイルスの吸着・融合の際重要な働きする融合ペプチドすなわち塩基性アミノ酸配列に連続する20個から成る疎水性のアミノ酸配列が特異的に存在しており,このN-末端アミノ酸配列のトリペプチド部分(HIVの場合Ala-Val-Gly;RSVの場合Phe-Leu-Gly)に着目し,宿主細胞への吸着阻害を指標としてN-末端に活性の期待できる種々の保護基を導入した類似体を合成して抗ウイルス活性を有するペプチド型の治療薬を開発することにした. ジケテンとの反応から容易に得られるアセトアセチル基を保護基として通常のペプチド合成法を適用して,まずaceotacetyl-Ala-Val-Glyやaceotacetyl-Phe-Leu-Glyを合成した後,アセトアセチル基の反応性を利用して複素環化合物への変換を行なった。すなわち,アセトアセチル基の活性メチレン部位に亜硝酸やジアゾ化合物を反応させてそれぞれオキシム体およびフェニルアミノイミノ体へ誘導した.つぎにこれらの化合物を臭素化後,酢酸ナトリウムを触媒として閉環反応させてN-末端の保護基にそれぞれ対応するオキサゾールおよびフェニルイミダゾール-3-カルボニル基を持つトリペプチド誘導体の合成に成功した.またアセトアセチルトリペプチドをはじめに臭素化後,チオ尿素およびチオセミカルバチドと反応させてそれぞれ対応する2-アミノ-4-メチルチアゾール-5-および2-アミノ-5-メチル-1,3,4-(4H)-チアジアジン-6-カルボニルトリペプチドを得ることができた.現在これらの誘導体のスクリーニングを検討中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 千葉卓男: "Antiviral activity of fusion peptide analogue having novel N-protecting Groups" Res.Rep.of Akita Natl.Col.Tech.33. 55-58 (1998)
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[Publications] 千葉卓男: "Synthesis and antiviral activity of sulfanyl peptides having N-heterocycles" Chem.Pharm.Bull 1998年. (発表予定).