1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650969
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
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Keywords | 脂肪族ポリイミド / N-シリル化ジアミン / シリル化法 / テトラカルボン酸二無水物 / 光透過性 / ポリアミド酸シリルエステル / 重付加 / イミド化 |
Research Abstract |
脂肪族ポリイミドは,芳香族ポリイミドに比べ耐熱性に劣るものの,分子間電荷移動錯体を形成しないため着色しにくく,高い光透過性を示し,光学用電子材料として注目されている。しかし,テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンを用いる従来の合成法では,前駆体ポリマーであるポリアミド酸のカルボキシル基とジアミンモノマーが反応して溶媒に不溶な塩が生成し,重合が均一溶液で進行しないため,高分子量の脂肪族ポリイミドが得られないという問題があった。 そこで,本研究では,上記の問題点を解決するために,脂肪族ジアミンの代りにN-トリメチルシリル化脂肪族ジアミンを用いて,芳香族テトラカルボン酸二無水物と重付加を行い,得られたポリアミド酸トリメチルシリルエステルを加熱することにより,脂肪族-芳香族ポリイミドを合成し,その特性を明らかにした。N,N′-ビス(トリメチルシリル)へキサメチレンジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物の重付加反応は,均一な重合溶液で進行し,高分子量のポリアミド酸シリルエステルが得られることを見いだした。このポリマー溶液を250℃で加熱イミド化することによって,容易に脂肪族-芳香族ポリイミドを得ることができた。エーテル基,スルホン基およびヘキサフルオロイソプロピリデン基を有するポリイミドは,有機溶媒に可溶であり,透明で柔軟なキャストフィルムを与える。このフィルムは120〜165℃のガラス転移温度を有し,350nm〜600nmの可視光領域に吸収がなく,光透過性が良好であった。 以上のことから,本研究で開発したシリル化法は,脂肪族ポリイミドの優れた合成法であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Oishi: "Synthesis and Properties of Aliphatic-Aromatic Polyimides from N-Silylated Hexamethylenediamine" J.Photopolym.Sci.Technol.12(2). (1999)
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[Publications] 大石好行: "トリアジン環を有する機能性縮合系高分子の合成" 高分子. 48(4). (1999)