1997 Fiscal Year Annual Research Report
タ-フェニル単位を主鎖に持つ定序配列全芳香族ポリケトンの合成
Project/Area Number |
09650971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
米澤 宣行 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10167033)
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Keywords | 芳香族ポリケトン / 定序配列 / タ-フェニル / 芳香族カップリング / 交差芳香族カップリング / フリーデルクラフツアシル化反応 / 直接縮合 / 五酸化二リン-メタンスルホン酸混合物 |
Research Abstract |
今年度はοーターフェニル部位を持つモノマーの位置/反応選択的な合成方法についていくつかの成果が得られた。検討したのは(1)οーターフェニルに対する位置選択的な官能基の導入反応,(2)οーターフェニル骨格を形成しながら重合性のモノマー分子を構築,の2通りである。(1)ο-ジブロモベンゼンへの芳香族交差カップリングによる合成を試みた。交差カップリング相手の非対称二置換ベンゾフェノンは硫酸第二鉄をルイス酸として用いたフリーデルクラフツアシル化反応で効率よく得られることが分かった(収率58%)。しかし,芳香族交差二重カップリングは期待通りには進行しなかった。これは最初の段階で2つのホウ酸基が導入できなかったことによる。電子的要因のため隣接した2つの炭素上で置換が進行しなかったものと思われる。交差カップリングの際の極性の交換,すなわちベンゾフェノン誘導体側のホウ酸化,も考えられるが収率が期待できず交差カップリングによる方法は不適であると判断した。(2)οーターニフェルへの位置選択的な重合性官能基の導入としては,五酸化二リン-メタンスルホン酸,ポリリン酸,メタンスルホン酸(以上直接縮合),塩化アルミニウム,硫酸第二鉄(フリーデル-クラフツアシル化反応)を縮合剤として用いた,p-クロル安息香酸(およびその酸クロリド)によるアシル化を検討した。ここではモノアシル化体を中心とする副生成物の抑制が最大の問題であり,選択性向上と転化率の確保による実用的収率の合成法化が本検討の目的である。今回の検討では縮合剤として五酸化二リン-メタンスルホン酸を用いた系で最大63%(モノアシル化体7%)の転化率で反応性官能基のp-クロロベンゾイル基を持つοーターニフェルモノマーが得られた。このモノマーの精製ははカラムクロマトグラフィーを中心とした方法で達成できることも分かった。
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[Publications] 米澤 宣行: "全芳香族ポリケトン" 高分子加工. 46. 199-207 (1997)
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[Publications] 米澤 宣行: "主鎖にエーテル結合を持たない非晶性全芳香族ポリケトンの合成" 岩谷直治記念財団研究報告書. 20. 33-37 (1997)
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[Publications] N.Yonezawa: "Structural Requirements for Decarborylative α、α-Diarylation Reaction of 2-Methoxyalkanoic Acids in Pnosphorus Pentoxide-Methanesulfonic Acid Mixture Yielding 1, 1-Diarylalkane Homologs" Tetrahedron. 53. 14287-14296 (1997)