1998 Fiscal Year Annual Research Report
新高分子ポリアリーレンスルホニウム合成と超分極π共役構造に基づく分子物性
Project/Area Number |
09650982
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 公寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80220458)
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Keywords | ポリスルホニウム / 超分極 / 光電子機能材料 |
Research Abstract |
共役芳香族スルホニウム高分子が、新しい光電子物性を示す新物質と成りえることを実証するため、可溶性共役スルホニウム高分子の合成法を確立、超分極π共役構造と分子物性の相関解明を研究目的とした。芳香族スルホニウム化合物は非占d軌道と隣接原子pπ軌道が重り d-pπ超共役も形成するので、従来にない高性能光電子機能材料の新物質と成ることを期待している。 1) 超分極共役構造の反応性と物性 共役ポリスルホニウムをピリジンやハロゲンイオンなど塩基と接触させた脱アルキルにより、電子供与性基チオエーテルに変換、濃度と時間によりスルホニウム基の導入率を制御可能とした。従来までのスルホニウムに較べ脱アルキル反応は共役スルホニウムの方が速く進行する。共役により硫黄原子上の電荷密度が低下し、スルホニウムが不安定となり反応性が増加したものと考えられる。架橋した共役スルホニウム分子は、最大吸収波長が約500m長波長へシフトした。架橋によりフェニル環の平面性が増加したためと考察できる。 2) 新しい合成法への展開 メタンスルフィン酸を硫黄源に用いた新しい芳香族求電子置換反応から、ジアリールメチルスルホニウムが定量的に得られることを見い出した。さらに、この反応を重合系へ展開、ポリ(メチルスルホニオ-1,4-フェニレン)の生成が始めて可能となった。従来重合不活性であったメチルフェニルスルホキシドも、アミン存在下では電荷移動錯体を経由して重合が進行し、同類のポリフェニレンスルホニウムを生成することが明かとなった。有用な新物質のスルホニウム誘導体を簡便に合成できる方法として確立できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Synthesis and Nucleopjhilic Dealkylation of Poly[alkyl-(4-(phenylthio)phenyl)sulfonium trifluoromethanesulfonate]s" Macromolecules. 31. 1202-1207 (1998)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Superacidified Reaction of Sulfides and Esters for the Direct Synthesis of Sulfonium Derivertives" J.Org.Chem.63. 7522-7524 (1998)