1997 Fiscal Year Annual Research Report
無秩序状態における2元ブロック共重合体の構造と粘弾性
Project/Area Number |
09650994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 良彰 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40188066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 裕秀 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60157302)
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Keywords | 中性子小角散乱 / ゆらぎ / 粘弾性 / 秩序無秩序転移 / 準希薄領域 / 2元ブロック共重合体 / ポリスチレン / ポリ2ビニルピリジン |
Research Abstract |
分子量約1万から100万で分子量分布が狭く、組成比がほぼ1:1のポリスチレン-ポリ2ビニルピリジン2元ブロック共重合体を用いて、バルク状態から、共通良溶媒中で高分子濃度が数%の準希薄溶液にわたる広い濃度範囲で秩序無秩序転移(ODT)の濃度と分子量依存性を、中性子小角散乱測定と動的粘弾性測定から決定した。その結果、低分子量試料のバルク状態と非常に濃厚な溶液では揺らぎの効果を考慮した理論で、高分子量試料の準希薄領域では排除体積効果を考慮した理論でそれぞれ理解できることがわかった。しかし両者の間には広い遷移領域、ないしは別の領域が存在するようである。 上記のように決定したODTの条件を基に、溶液系を中心に無秩序状態で粘弾性の検討を行った。現在までのところ、粘性パラメータは振動実験、定常流動実験の結果は共に構成成分単体(両者はほぼ等しい)の値とほぼ等しいこと、一方振動実験で得られる弾性パラメータはODTの近傍においては、構成成分単体の値(両者はほぼ等しい)よりも大きな値を示すが、定常流動実験から得られる弾性パラメータの値は構成成分の値にほぼ等しいことが明らかになった。また同じく溶液系の無秩序状態で行った中性子小角散乱の予備的な測定からは、かなり広い濃度範囲で揺らぎが存在することが示唆された。現状でのこれらの結果は、揺らぎの効果は粘性パラメータには影響しないが、振動実験で得られる弾性パラメータを増加させ、定常流動では流動により揺らぎが抑制されると考えれば理解可能である。
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