1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650999
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 尚弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10196248)
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Keywords | 界面 / 界面張力 / 液晶性高分子 / 相平衡 / 棒状高分子 / 相図 |
Research Abstract |
1.試料の調製 界面物性研究に使用するポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)(PHIC)、ポリ(ブチルイソシアナ-ト)(PBIC)、およびヘキシルイソシアナ-ト-ブチルイソシアナ-ト共重合体をチタン系触媒を用いて重合し、さらに沈殿分別とGPCよる分別を行った。 2.ポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)(PHIC)-ポリ(プチルイソシアナ-ト)(PBIC)-クロロホルム3成分系の相図の決定 この3成分系での等方-液晶相間の界面張力を研究する目的で、同系の相図を決定した。その結果、相図中に等方-ネマチック相2相共存領域に加えて、等方-等方-ネマチック相の三相共存領域の存在が確認された。 3.3重らせん多糖シゾフィラン水溶液系で共存する等方相-コレステリック相間の界面張力測定 分子量の異なるシゾフィラン4試料の水溶液について静滴法により、等方-液晶相間の界面張力を測定した。界面張力の決定に必要な液滴の輪郭座標は、新たに購入したCCDカメラ・画像取得装置により決定した。 4.棒状高分子溶液に関する等方-液晶相間の界面張力の計算 同種の計算は以前に土井と葛生によって計算されている。但し、彼らの計算では、系の自由エネルギーにおける第3以上の高次のビリアル項が無視されていた。本研究では尺度可変粒子理論を用いて高次のビリアル項まで考慮に入れて界面張力の計算を行った。結果は低分子量領域を除いて第2ビリアル近似を使った土井葛生理論とのずれは小さく、高次のビリアル項は棒状高分子溶液の界面張力にはあまり重要でないことがわかった。この理論結果を前項のシゾフィラン溶液の実験結果と比較すると、分子量依存性については理論と一致しているが、絶対値にかなりの差が認められた。この差については来年度さらに考察を行う予定である。
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