1997 Fiscal Year Annual Research Report
極非平衡流れへの高次流体力学方程式の応用に関する研究
Project/Area Number |
09651008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曾我 丈夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (00023284)
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Keywords | 高次流体力学方程式 / モーメント方程式 / 非平衡流れ / 希薄気体流れ / 滑り境界条件 |
Research Abstract |
(1)数式処理ソフト、マセマティカを用いて、ボルツマン方程式の衝突項の8変数に対する積分式を順次解析的に積分し、バ-ネット方程式及び部分的に線形化したスーパーバーネット方程式に含まれる、部分的に6次のモーメントを含む51個のモーメントに対するモーメント方程式を導いた。 (2)グラッドの方法を一般化し、任意のモーメント方程式に対する境界条件の導出法を考案し、51モーメント方程式に対して適用した。解析の結果、滑り速度のマッハ数が1より十分に小さい場合は、壁面に垂直方向と沿う方向の条件が分離できる表示を得た。また、両方向の条件がカップリングする場合の表示式も得た。(1)、(2)の結果を利用して平面クエット流れに対する解析解を得て、モーメント量を高次チャップマン・エンスコグ解から導くことにより、高次流体力学方程式か適切な境界条件の下でクヌッセン層を含む流れの場全体の解をその中に含むことを明らかにした。 (3)13及び、20モーメント方程式の詳細な解析により、弱い衝撃波に対してモーメント方程式か十分良好な結果を与え、各方程式は異なるマッハ数の値に対して1または2つの不連続点を持つことを明らかにした。4次の項全てを含む35モーメント方程式は形式上衝撃波の前後で不運続点を持たなかった。また、散乱角の打ち切り角を小さくした場合のボルツマン模型方程式の解析によりモーメント方程式の一部の不連続点の性質は明らかになったが、模型方程式の近似とモーメント方程式の近似の程度に1対1の対応は必ずしも存在しなかった。このため、ランキンユゴニオ条件の拡張は困難であることが分かった。
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[Publications] Takeo Soga: "On the Singular Behavior of Solution to the Kinetic Model Equation" Proceedings of 2nd Asian-Pacific Conference on Aerospace Technology and Science, edited by Gong Yaonam, Dun Huang, Gansu China, Oct.6-10. 57-63 (1998)