1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09651010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
太田 裕文 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00023317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得竹 浩 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80295716)
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Keywords | 制御理論 / 飛行制御 / むだ時間系 / ロバスト制御 / 飛行機運動 |
Research Abstract |
本研究は、遅れ時間の総和を厳密に考慮した制御系の設計理論と計算法を確立し、飛行制御系設計法としての有効性を風洞実験により検証するものである。この目的のため、本年度は次の二つの事項を研究した。 (1)時間遅れを有するシステムの制御系設計手法の確立 ロバスト制御の代表であるH∞設計理論は種々開発されているが、無限次元系の理論や設計法はまだ確立されていない。むだ時間を含む制御対象を厳密にモデル化すると無限次元系となるため、通常、低次元化した近似モデルを使って設計するが、これは誤差を伴う近似解にすぎない。最近、Commutant Lifting理論とSkew Toeplitz法を用いたオペレータ空間での設計理論が開発されつつある。本研究ではこれらの手法を用い、むだ時間制御系のH∞最適解を厳密に導出する設計理論につき検討した。 (2)航空機運動に及ぼす操縦遅れの影響とその制御の解明 航空機の運動制御では、遅れ時間が安定操縦特性に大きな影響を及ぼす。上記(1)の結果をふまえ、横・方向の運動について、安定操縦性増大のために要求される制御系を設計した。また、飛行条件の変化やモデルの不確かさに対する制御系のロバスト性、有効性をシミュレーションにより検討し、遅れ時間と安定操縦性との関係を調査した。その結果、機体伝達関数のダイポール位置の変動に制御性能は大きく左右されることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 太田裕文 他: "逆ダイナミクス変換による再突入桟の非線形制御" 日本航空宇宙学会誌. 45,516. 52-61 (1997)
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[Publications] 太田裕文 他: "パラメータ領域を利用した適応二次安定化制御系の構成" 日本航空宇宙学会誌. 45,518. 169-176 (1997)
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[Publications] 太田裕文 他: "H∞制御系設計における制御ゲインに対する許容摂動特性" 日本航空宇宙学会誌. 45,520. 257-266 (1997)
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[Publications] 太田裕文 他: "時間遅れを考慮したH∞ロール制御系設計" 日本航空宇宙学会誌. 45,520. 277-283 (1997)
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[Publications] H.Ohta et al.: "Helicopter Flight Controller Design Using Nonlinear Transformation" Trans.of Japan Soc.for Aero.and Space Sciences. 40,127. 1-18 (1997)
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[Publications] 太田裕文 他: "飛行機のダイナミクスと制御" 計測と制御. 36,7. 511-517 (1997)