1998 Fiscal Year Annual Research Report
船体動揺運動を推進力として積極利用する弾性揚力面セールの開発
Project/Area Number |
09651018
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
増山 豊 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10101362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 塔一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80143171)
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Keywords | 帆走船 / セーリングヨット / セール流体力 / 揚力面理論 / 船体動揺運動 / セールダイナモメータ / 実船試験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、船体の縦揺れや横揺れなどの動揺運動によって生ずるセール面の揺れや変形を積極的に利用して、セールの発生する推進力を増加させることを目的としている。 平成10年度は船体のピッチング運動、ローリング運動、ヨーイング運動、さらにこれらの組み合わせ運動によって生ずるセール流体力の変化を、数値計算と海上試験によって求めた。また、船体運動によって生ずる変形と同様のセール変形を自由に発生させるシステムを製作して実船試験を行った。具体的には実験艇のセールダイナモメータプラットフォーム上に電動式のスライダを搭載し、これを用いてセール調整用シートや、マストベンドコントロールワイヤの張力を変化させるものである。スライダを任意の周期で往復させることにより、特にセールのねじれ角を連続的に変形させることができる。 これまでの研究により、船体の動揺運動によって生ずるセール流体力の変化は、計算値と実測値がほぼ一致することが分かり、ここで示した計算手法の実用性が確められた。数値計算により、ピッチング、ローリングはともに推進力の増大効果が見られ、ローリングの方がより効果が大きいことがわかった。ヨーイングに関しでは、セールの迎え角そのものが変わるので推進力の利得に対しては単純に評価できないが、数値計算と実測値が一致しているので、今後のセール開発に威力を発揮するものと考えられる。またツイスト角の変化については同一の角度変化であっても、静的な変化に比べ、連続して変化する場合の流体力変化が10%以上大きいことがわかった。 以上の結果より、船体動揺運動を推進力として積極利用する弾性揚力面セールの開発システムが構築されたものといえる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 荻原宗彦: "帆走性能に与えるセール面積変化の影響" 金沢工業大学大学院工学研究科修士論文. 1-55 (1999)
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[Publications] 長谷川貴: "セーリングヨットの船体運動に伴うセール流体力変化の解析" 金沢工業大学大学院工学研究科修士論文. 1-83 (1999)
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[Publications] 長谷川貴,増山豊: "セーリングヨットの船体運動に伴うセール流体力変化の解析" 第22回北陸流体工学研究会講論集. 1-4 (1999)