坑井内3軸ダブルゾンデによるコヒーレント地下弾性波の検出

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09651025
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 浅沼 宏 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50250717)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森谷 祐一 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (60261591) ; 新妻 弘明 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90108473)
• Keywords: 時間-周波数表現 / コヒーレント波 / 坑井内弾性波計測 / ダブルゾンデ / 3次元粒子運動軌跡 / スペクトル行列 / 深部地熱エネルギー / 地熱貯留層

Research Abstract

今年度の研究実績は下記の通りである。
1. 坑井内3軸ダブルゾンデの開発とその性能評価:前年度作成したダブルゾンデの性能評価実験の結果をふまえ,性能向上のための改良を加え,フィールド試験を行った。その結果、研究開始当時に想定した性能をほぼ満たす坑井内3軸ダブルゾンデを開発したことを確認した。
2. ダブルゾンデにより検出した信号の処理法の検討:ダブルゾンデにより検出した信号の処理法を検討した。その結果2組の3成分信号を時間-周波数領域で主成分分析することにより,コヒーレント波の到達時刻、周波数特性、振動方向、モード等を検出可能であることを見いだした。
3. 実験フィールドおよび実地熱フィールドでの弾性波計測実験:葛根田地熱地域でダブルゾンデを使用して弾性波計測実験を実施した。その結果、良好な信号を取得できた。
4. 実験フィールドおよび実地熱フィールドの地下構造推定:フィールド実験で取得した信号を解析し、反射波を道程するとともに地下構造を推定した。その結果,他の手法により得られたものと整合する結果を得た。
5. 総合評価:坑井内3軸ダブルゾンデによるコヒーレント波計測法の性能について総合的な評価を行なった。また,本手法の実用化に関する具体的研究計画を立案した。本研究の成果をSEGJシンポジウムで発表した。
以上のように,本年度は,当初の研究計画に添って研究を行ない,具体的な成果を幾つか得ることができた。
また,当初計画では,海外で開催される国際会議で研究成果を発表する予定であったが、東京で開催されるSEGJシンポジウムでの成果の公表が最適であると判断し、海外渡航は行なわないこととした。なお,これにともなう変更金額は交付金額の30%以内である。

Research Products

• [Publications] Takayama, Asanuma, Niitsuma: "Identification of reflected phase by time-frequency representation of coherency in a downhole double three component seismic measurement" Proc.4th SEGJ International Symposium. 143-146 (1998)
• [Publications] Asanuma, Takayama, Niitsuma: "Discrimination of coherent waves by a downhole double three component detector" SEG Expanded Abstracts (in CD-ROM). (1998)
• [Publications] Asanuma, Takayama, Niitsuma: "Identification of mode of coherent waves using a downhole double three component detector" SEG Expanded Abstracts. 発表予定. (1999)