1999 Fiscal Year Annual Research Report
高温岩体発電の出力と寿命を予測するための高精度解析システムの開発
Project/Area Number |
09651029
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 康智 山口大学, 工学部, 助手 (00274184)
石田 毅 山口大学, 工学部, 助教授 (10232307)
栗山 憲 山口大学, 工学部, 教授 (10116717)
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Keywords | 仮想応力法 / 解析的積分 / 要素分割 / 変位くい違い法 / 亀裂先端要素 / 非定常熱伝導 / フラクチャー内の流れ / 熱抽出 |
Research Abstract |
高温岩体発電の出力と寿命を高精度に予測するための3次元数値解析システムの開発を目的とし、システムのフレームをほぼ完成させた。連成解析システムは大きく分けて、(1)熱的境界条件のもとの非定常熱伝導解析システムと温度勾配に起因する変位(熱弾性)解析システム、(2)力学的境界条件のもとの岩体の変形、フラクチャーの開口変位分布、(3)フラクチャー先端部の応力拡大係数の算定(フラクチャー進展)システム、(4)フラクチャー内流体の非定常流れにおける流速分布解析システムと岩体からの熱伝達解析システムの4つのサブシステムから成っている。これらのサブシステムのうち、(1)〜(3)はすでに完成していて、(1)と(2)については論文として発表され、(3)については二つの国際学会で発表予定である。(4)の1部、すなわち岩体から流体への熱伝達解析サブシステムの開発は現在進行中であるが、平成12年9月までに全サブシステムの基礎を完成させることができる。 平成11年度の研究成果についていえば、まず、(2)の弾性解析に関して、Kelvin解による3次元仮想応力法中の解析積分の精度に問題があったが、これを解消したことである。すなわち、これまでは3角形要素を構成する3辺の延長上に他の要素の重心があるような要素分割を避ける必要があったが、どのような分割に対しても厳密に解析積分ができ、かつその表現が簡潔になった。したがって、高精度・高速度で計算が行えるようになった。 つぎに、変位くい違い法における亀裂先端要素に対しても厳密な解析積分を行うことができたことである。すなわち、これまでは変位不連続分布はすべての要素に対しては一定であったがために亀裂先端部の応力は正確には算出できなかったが、亀裂先端要素については変位不連続を亀裂先端からの距離の平方根としても解析積分が可能となり、高精度の解が得られることとなった。
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[Publications] Y.Mizuta et al: "Studies in relation to Hydraulic Fracturing Experiments Carried out in Kamioka Mine"Geothermal Science and Technology. Vol.6. 281-297 (1999)
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[Publications] B.Sulistianto,Y.Mizuta: "Stress Distribution in the Vicinity of Right Strike-Slip Fault,a Numerical Approach"Shigen Sozai. Vol.115No.9. 651-659 (1999)
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[Publications] 劉承論、水田義明、栗山憲: "Kelvin解による3次元仮想応力中の解析積分について"資源と素材. 115巻10号. 719-724 (1999)
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[Publications] H.Li,C.Liu,Y.Mizuta,M.A.Kayupov: "Realization of Analytical Integration for Triangular Crack Edge Element of 3D DDM"Proc.4th North American Rock Mechanics Symp.(Seattle). (2000)
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[Publications] H.Li,C.Liu,M.A.Kayupov,Y.Mizuta: "Crack Edge Element and its Analytical Integration for Three-dimensional Displacement Discontinuity Method with Boundary Division"Proc.14th Engineering Mechanics Conf.(Austin). (2000)