1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鋼スラグの高機能性ゼオライト素材化と利用に関する研究
Project/Area Number |
09651034
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山崎 淳司 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70200649)
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Keywords | 鉄鋼スラグ / 水熱合成 / マイクロ波加熱 / 酸処理 / ゼオライト / フッ素雲母 |
Research Abstract |
鉄鋼製錬の際に副次産物として大量に発生する鉄鋼スラグの新規素材への転換を目的として、単純操作かつ高収率にFAU型やMFI型ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩系の高機能性素材を合成するプロセス開発を行った。まずゼオライト合成の出発物質を調製するために、各種スラグ(高炉水砕、高炉徐冷、転炉、脱シリカの各スラグ)を磨砕(ボールミルおよび振動ミル)と酸処理によるアルミノシリケート系出発原料の調製し最適条件を検討した。その結果、磨砕条件により酸処理時の溶脱元素に選択性が発生すること、室温での濃塩酸処理により、ゼオライト合成の際に阻害因子となるカルシウムを完全に除去した活性シリカゲルが迅速に得られること、さらに適当な酸/スラグ比での希塩酸処理により、Si/Al比が制御されたアルミノケイ酸ゲルが調製できることを示した。また、マイクロ波加熱による水熱処理により、通常の水熱処理に比較して1/10以下の短時間かつ高効率に酸処理が行えることがわかった。これらのスラグから調製されたアルミノシリカ系原料をアルミン酸ナトリウム水溶液中で水熱処理することにより、高純度のFAU型(XおよびY型)及びZSM5型ゼオライトを高収率(90%以上)が得られた。このゼオライト合成についても、マイクロ波加熱水熱処理により、通常の外部加熱水熱処理に比較して、l/10以下の短時間かつ均質な細粒として試料調製ができることがわかった。また、今回得られたアルミノシリカ系出発物質からは、Al_2O_3、NaF、MgF_2及びMgOと乾式混合、ペレタイズしたものを800〜1300℃で焼成することにより、様々な化学組成の四ケイ素フッ素雲母及びフッ素金雲母も合成出来た。得られた雲母は、高結晶性、自形薄板状の均質粒径であった。これらの合成物は、市販製品に比較して、同等以上の高結晶性を有し、かつ均質細粒であることから、各種材料作製の新規素材供給源として十分に利用可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)