1998 Fiscal Year Annual Research Report
スイートコーンの雌穂肥大および頴果の登熟に及ぼす分げつの役割
Project/Area Number |
09660020
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻原 勲 東京農工大学, 農学部, 助手 (80204113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱田 直紀 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014952)
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Keywords | スイートコーン / 分げつ / 同化産物の分配 / 雌穂の発育 / 花粉の飛散時期 |
Research Abstract |
スイートコーンは,主稈基部の節に2〜3本の分げつが形成される.本年度は分げつの役割を明らかにするため,‘ピーター早生1号'を用いて,分げつを着生した株(着生株)と分げつを除去した株(除去株)の登熱期間における乾物生産特性および葉の葉色程度,光合成速度,主稈基部からの出液量,根量などを調査した.その結果,播種後87日(絹糸抽出後29日)に着生株を総乾物重および雌穂重は除去株のそれよりも著しく大きくなった.同化産物の分配および生長解析から,分げつ着生株の総乾物重が大きくなったのは,個体の葉面積が増加することが主な要因であった.また,絹糸抽出開始日以降から分げつで生産された同化産物の多くが雌穂に分配されることで,着生株の雌穂重が大きくなった.さらに,主稈葉を除去した株,雌穂を除去した株などの乾物の分配から,分げつの同化産物は主稈のシンク活性の大きい雌穂などの器官に分配されることがわかった.一方,着生株は除去株に比べて,根量が多く,発熟後期まで主稈基部からの出液量が多く,主稈葉の光合成速度も大きかった.よって,分げつは分げつの同化産物を雌穂に転流するだけでなく,主稈葉の老化を抑制する働きがあることがわかった. 次に,分げつが旺盛な生育を示した株では,分げつの先端部に雄穂が形成され,この雄穂から花粉が飛散していることが観察されるので,分げつ雄穂からの花粉が雌穂頴花の受粉,受精および登熟に及ぼす影響を検討した.その結果,分げつ雄穂からの花粉は主稈雌穂の先端部頴花の不受精を少なくする役割を持っていることが示された.
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Research Products
(1 results)