1997 Fiscal Year Annual Research Report
野菜の老化の機構と品質変化の生理学的、分子生物学的研究および品質保持技術の検討
Project/Area Number |
09660022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
兵藤 宏 静岡大学, 農学部, 教授 (40023452)
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Keywords | 野菜の老化 / ブロッコリー / エチレン / ACC酸化酵素 / 野菜の貯蔵 |
Research Abstract |
野菜は収穫後急激な代謝の変動を受け、老化が進行し、品質が低下する。ブロッコリー小花(花蕾)の収穫後の老化の機構を生理学的、生化学的、分子生物学的に研究を行ってきた。ブロッコリー小花は収穫後常温で急速に老化が進行する。アスコルビン酸が急速に分解し、クロロフィル含量が低下し、小花は黄化する。この過程でエチレン生成量は増大し、その後老化の進行と共に減少する。エチレン生成の鍵酵素となるACC(1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸)酸化酵素の活性は、エチレン生成の増減とほぼ平行して顕著に増大し、最大値に達した後低下した。ACC酸化酵素をブロッコリー小花より抽出し、その酵素学的性質を調べた。この酵素はFe^<2+>、アスコルビン酸を必要とするジオキシゲナーゼである。老化の進行には新たなタンパク質の合成を伴っていることが明らかになった。ブロッコリー小花の老化を抑制し、品質を保持するためには、第一に低温貯蔵が有効であり、次いでMA包装貯蔵が効果的であった。サイトカイニン処理も老化抑制に著しい効果を示した。老化におけるエチレンの役割、ACC酸化酵素の発現、その性質など、研究を継続的に行っている。またACC酸化酵素を精製し、その性質を明らかにするために、ブロッコリー小花よりACC酸化酵素のcDNAを得て、それを用いて大腸菌を形質転換し、ACC酸化酵素を発現させた。
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Research Products
(1 results)