1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高木 敏彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40026612)
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Keywords | 根域制限 / ウンシュウミカン / 根機能 |
Research Abstract |
根域制限栽培は樹体のコンパクト化や果実品質の向上などに利点が見られ,ウンシュウミカンでは生産現場での普及が始まっている。しかし,これらの効果の生じる機構についてはほとんど検討が為されていない。この点を解明するために,本年度の実験では,(1)土壌容量の異なる各種容器でカンキツ樹を生育させ,樹体生長および養分水分吸収,組織構造,TTC還元力などの根の機能に及ぼす影響,(2)樹体内のホルモンレベルを違えて,各部生長量に及ぼす影響などを調査した。得られた結果の概要は次のとおりである。 (1)の実験では,根域制限樹の特徴として, 1)樹体各部の生長が抑えられ,TR率,細根比率の上昇が見られた。 2)無機成分含量は何れも低く,とくに新生器官での低下が著しかった。 3)細根の皮部率(根横断面積に対する皮部面積の比率)が高く,蒸散速度,水分吸収能が低下した。 4)樹体の水ポテンシャルは急速に低下した。 (2)の実験では 1)茎葉処理と地下部処理の比較では,BAは茎葉処理で生長促進効果が高く,一方NAAはいずれの処理も低濃度処理で促進効果が見られた。 2)外生処理に伴う根系のサイトカイニンレベルの上昇および樹体のオーキシンレベルのわずかな上昇は樹体成長を促すのに対して,高レベルのオーキシン上昇は逆に生長を抑制した。
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