1999 Fiscal Year Annual Research Report
リンゴ3倍性品種と2倍性品種の交雑育種の確立に関する研究
Project/Area Number |
09660039
|
Research Institution | Akita Prefetural College of Agriculture |
Principal Investigator |
佐藤 正志 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 助教授 (90110585)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 弘幸 秋田県立大学短期大学部, 附属農場, 助手 (10320607)
|
Keywords | リンゴ / 交雑 / 育種 / 倍数体 / 接ぎ木 / 樹体生長 / 果実形質 / わい性 |
Research Abstract |
本年度は、主に実際栽培での交雑実生の特性を明らかにするため、我が国で一般に使われている強勢台木のマルバカイドウに2x×3xの実生を接ぎ木して、果実形質と樹体生長を調査した。すなわち、2x×3xとして'スターキング・デリシャス'(S)×'陸奥'(M)と、2x×2xとして'ゴールデン・デリシャス'(G)×'スターキング・デリシャス'の接ぎ木後6年の交雑実生を供試した。前者の交雑組合わせでは60種類、後者の組合わせでは無作為に選んだ5種類の実生を接ぎ木した樹を用いた。 得られた結果は下記の通りである。 接ぎ木後6年では成熟果の果重と大きさ、果形(L/D比)については、両交雑組合わせで大きな違いが認められなかった。果実品質は果肉硬度が2x×3xで16.0ポンド、2x×2xで13.7ポンドと、2x×3xで果実が硬い傾向が認められた。屈折計示度は2x×3xが13.8%、2x×2xが13.5%であり、リンゴ酸含量は前者で0.457%、後者で0.571%と、ほとんど差がなかった。接ぎ木後7年の幹周は2x×3xが27.6cm、2x×2xが38.2cmと、2x×3xで樹体生長が劣った。2x×2xの幹周の平均値を100とし、2x×3xでそれに対する相対値を算出したものが幹周指数である。幹周指数が75以下の接ぎ木樹をわい性とみなしてその実生割合を求めると、2x×3xでは51.7%であった。 以上のことから、2x×3x(S×M)と2x×2x(G×S)では果実の糖度と酸度に大差は認められなかった。また、2x×3xでは、強勢台木に接ぎ木した場合でも約半数の実生がわい性であることが分かった。
|