1997 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸合成阻害除草剤の作用機構に関する組織学的研究
Project/Area Number |
09660049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 操子 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026381)
|
Keywords | グリホサート / スルホニルウレア / 除草剤 / 多年生雑草 / 根茎 / 生長点阻害 |
Research Abstract |
アミノ酸合成阻害除草剤の特性としては,生長点に作用するため根茎からの再生を阻止することで多年生雑草に有効であることが知られている。本研究ではその機構を芽の組織化学的側面から究明するために行っており,本年度は以下の事項について実施した。 1.ヒルガオ類,チガヤに対するグリホサート,およびヒメクグに対するハロスルフロンの茎葉処理を行い,根茎の位置別の反応を調査した。その結果グリホサート処理では根茎基部側で効果が劣ること,また根茎節間には異常がみられない部分でも腋芽は萌芽力を失っていることが分かった。一方,ハロスルフロン処理したヒメクグでは逆に根茎節間は壊死しても萌芽力のある芽が生き残り,両薬剤の差はその移行性の違いに起因していることが示唆された。 2.ヒルガオおよびセイタカアワダチソウの根茎断片の寒天培地に数種の除草剤を処理しその反応を比較調査した。その結果,アミノ酸阻害剤,ホルモン型除草剤いずれにおいても,腋芽の壊死あるいは不萌芽が引き起こされる濃度は節間組織の壊死が生じる濃度より10倍以上低いことが分かった。また,スルホニルウレア剤,スルホメトロンメチル処理では,頂端分裂組織での細胞の不整配列,核の膨潤化,一部の細胞の収縮などの異常が観察された。 3.これからの組織学的観察の基礎として,マイクロスライサ-による腋芽縦断切片作成法の改良に関する実験を行い,また,蛍光顕微鏡下での組織観察法について予備的実験及び調査を行った。
|
Research Products
(1 results)