1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌由来のシグナル物質により発現が変動する宿主遺伝子の解析
Project/Area Number |
09660051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 勇規 岡山大学, 農学部, 助教授 (50213004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 友紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033268)
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Keywords | elicitor / suppressor / defferential screening / glutathione-S-trausferase / hsr203J / S-adenosylmethionine / Zn-finger protein / early nodulin |
Research Abstract |
1.エリシターにより発現が誘導される遺伝子の単離と構造解析 エリシターを5時間処理したエンドウ上胚軸からcDNAライブラリーを作成し、differential hybridzation法によって90個のcDNAをエリシター応答性遺伝子の候補として単離した。これらの塩基配列を部分的に決定したところ、HRGP,GRP,peroxidaseなど植物細胞壁の強化に関わる遺伝子の他、glutathione-S-transferase(GST),endochitinase,polygalacturonase inhibiting protein(PGIP),S-adenosylmethionine synthetase(SAMS),hsr(hypersensitivity-related)203Jなど、既知の植物防御応答関連遺伝子と相同性を示すcDNAの存在が明らかとなった。今後、エリシターあるいは非病原菌や非親和性菌応答におけるこれら遺伝子の発現パターンを詳しく解析する必要がある。 2.サプレッサーにより発現が誘導される遺伝子の単離と構造解析 サプレッサー応答性遺伝子の候補は、サプレッサーを5時間処理したエンドウ上胚軸から作成されたcDNAライブラリーから、エリシター応答性遺伝子のcDNA単離と同様にdifferential hybridization法によって単離された。20個の候補cDNAについて塩基配列を部分的に決定したところ、ダイズで根粒菌の感染により初期に発現が誘導されるearly nodulin(Enod93)遺伝子や植物細胞壁の分解酵素(cellulaseやpectinmethylesterase)の遺伝子と相同性を示すcDNAの存在が明らかとなった。サプレッサー応答性遺伝子の機能は未だ不明であるが、親和性の確立や病原菌の侵入、蔓延、増殖の補助が推察される。
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