1998 Fiscal Year Annual Research Report
Xanthomonas属植物病原細菌の病原性の遺伝子制御機構
Project/Area Number |
09660053
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
奥 尚 広島県立大学, 生物資源学部, 助教授 (50201992)
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Keywords | Xanthomonas / hrpX / AraC / positive regulator / 塩基配列 / アミノ酸配列 / 宿主特異性 |
Research Abstract |
Xanthomonas属植物病原細菌の各病原型の有するhrpXは、C-末端側にhelix-turn-helix(H-T-H)構造を有するAraC familyのDNA結合タンパク質HrpXをコードすると推定されることから、本菌の病原性に関するpositive regulatorであると考えられている.そこで、本菌16病原型38菌株についてHrpXのH-T-HをコードするhrpXの3'-末端側約250bpの領域をPCR法によりクローニングし、塩基配列を解析した.その結果、H-T-H部分をコードする塩基配列いずれの菌株においても高く保存されており、推定アミノ酸配列は完全に一致した.従来、本菌のhrpX遺伝子は各病原型の宿主特異性を決定するか否か明らかではなかったが、DNA結合部位の構造がすべて同一であることから、HrpXは本菌の宿主特異性には関与しないものと推定された.また、イネ白葉枯病菌(Xoo)のゲノミックライブラリーより、X.campestris-pv.vesicatoriaのhrp遺伝子座に報告されている推定HrpX結合部位(PIP-box;TTCGC-N_<15>-TTCGC)の探索を行った.その結果、約15kbのクローン断片中に、Xooにおいて昨年ここにBIA-COREを用いて解析して報告したDNA-タンパク質結合活性陽性部位よりさらに100bp上流のhrpD1の推定開始コドンより381-357bp上流に当該配列が存在することが明らかになった.現在この部位について、pMAL-C2で発現させたHrpXoタンパク質を用い、ゲルシフト、フットプリンティング等により詳細を分子生物学的に解析中である.
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