1997 Fiscal Year Annual Research Report
カイコにおける人工飼料中のタンパク質成分の消化吸収特性
Project/Area Number |
09660057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
角田 素行 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50127164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 肇 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80201812)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / 膜結合型 / 可溶化 / タンパク質 / 消化吸収 / ペプチド / 中腸組織 / カイコ |
Research Abstract |
1 カイコの5齢幼虫の中腸組織に局在するアミノペプチターゼ、以下酵素という、の組織内局在性を組織を磨砕した後、段階的分画遠心を行って酵素活性の各画分への分布を調査したところ、ほとんど全ての酵素が沈殿画分に回収され、本酵素は膜結合型であることを明らかにした。 2 酵素の膜からの可溶化にフォスファチジルイノシトール特異的フォスフォリパーゼ(PIPLC)処理が有効であることを明らかにした。 3 可溶化された酵素は大別して2種類の酵素から成り立つこと、つまり酵素の溶出に要する食塩濃度にして0.1Mと0.2Mの2種類の酵素が存在することを、担体としてDEAE-セファロースを用いたイオン交換カラムクロマトグラフィーならびに反応動力学的性質の調査、とりわけpHと活性の関係ならびにKm値の決定によって明らかにした。 4 2種類の酵素は中腸組織の前部、中部、後部という部域によって存在量を異にして局在していることを明らかにした。 5 酵素を精製する方法を種々試みることによって、0.2Mの食塩濃度で溶出されるものについて、かなりの純度の精製標品を得る方法を確立した。しかし、完全精製標品を得る方法の確立には至っていない。その方法は、(1)PIPLC処理による酵素の可溶化、(2)DEAE-セファロースを用いたイオン交換カラムクロマトグラフィー、(3)ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー、(4)銅イオンを用いた金属イオンアフィニティークロマトグラフィーである。 6 今後、5の精製法の改良を行い、0.2Mの食塩濃度で溶出される酵素について完全精製標品を得る精製法を確立する。 7 今後、6で得られた完全精製標品の部分アミノ酸配列を決定し、cDNAを得て酵素の一次構造を明らかにする。
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