1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐々木 正己 玉川大学, 農学部, 教授 (40096061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正人 玉川大学, 農学部, 助教授 (70204253)
中村 純 玉川大学, 農学部, 講師 (30256002)
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Keywords | ミツバチ / Apis mellifera / 記憶 / 学習 / 巣仲間識別 |
Research Abstract |
巣仲間識別における自巣の匂い(環墳臭)と仲間間で共有する体表ワックスの「記憶」,およびその更新の重要性を明らかにする目的で,吻伸展反射と連合学習をアッセイ系とした解析を行った. まず連合学習の成立にかかわる基本的条件(空腹度,条件刺激と非条件刺激の回数やタイミング,報酬の与え方など)を検討した後,2種の条件刺激の識別の有無をみる方法として,スクロース水(1.5モル)の報酬と食塩水(2モル)の罰を組み合わせる系を作り,さらに,揮発性のないワックス成分の識別・記憶が評価できる系を新たに開発した. その結果,1)蜂自身が発している匂いと体表ワックスから揮散する環境臭の双方が読まれること,また2)蒸気圧の高い物質を除いた後の体表ワックスも触角で読まれることがわかった.体表ワックスは10^<-2>から10^<-3>蜂当量でも識別が可能で,炭化水素分画にも活性はあったが,遊離脂肪酸を主とする酸性分画がもっとも識別・記憶されやすいことがわかった.これらの結果を踏まえ,蜂が季節その他の要因で動く自巣の匂いやワックス成分の情報をモニターしながらその記憶を常に更新し,チェックを受けるべき蜂から得た情報を,それと照合しながら識別している,とのモデルを作った. 2年目は環境臭のワックスヘの吸着と揮散のモデル分子を使った解析と,蜂により合成される非揮発性可読物質群のさらなる検討を行いたい.
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