1999 Fiscal Year Annual Research Report
乾湿が土壌コロイド粒子に及ぼす影響の界面化学的研究
Project/Area Number |
09660069
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
北川 靖夫 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90254242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 勝彦 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (60275089)
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Keywords | 土壌コロイド / 土壌の粒度分布 / 粘土鉱物学 / 界面化学 |
Research Abstract |
前年度までの成果を受けて、今年度は本研究により開発したセシウムイオン吸着法による土壌コロイドの荷電特性の再検討、レーザー散乱法による土壌の粒度分布の測定法の検討、動電音響法による主要な粘土鉱物のゼータ電位の測定法の検討などを行った。結果の概要は以下に示すとおりである。 セシウムイオン吸着法の土壌コロイドの陽イオン交換特性解明や荷電ゼロ点の測定などへの応用が確認された。セシウムを利用した測定法は、ナトリウムやカリウムなどを利用する従来の測定法と比べてセシウムが自然界に存在する量が少ないため、測定中の汚損が回避でき、正確な測定値が得られるといった利点がある。 レーザー散乱法による土壌の粒度分布の測定法を従来の水中沈降法と比較しながら検討した結果、両者の間に直接的な対応づけは困難であったが、両者の測定データには極めて高い相関関係が認められた。なお本法の利点としては、短時間で連続的な粒度分布の測定が可能である点にある。 動電音響法によってカオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、アロフェンのゼータ電位を測定した結果、本法の粘土鉱物研究への有効性が示された。動電音響法の利点として、短時間に広いpH領域で連続的なゼータ電位の測定が可能であるという点で、今後の土壌コロイドの特性解明への利用の道が開けた。 今後の問題として、セリサイトの荷電特性の解明、動電音響法によるゼータ電位測定の土壌コロイドへの応用などが残された。
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[Publications] Itami,K. and Tamamura,T.: "Evaluation of cation exchange capacity of montmoril Conite using"caesium chloride. Clay Science. 10-6. 469-476 (1999)
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[Publications] 栗原宏彰,北川靖夫,伊丹勝彦: "レーザー散乱法による土壌の粒径測定"ペドロジスト. 43-2. 73-81 (1999)