1998 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシ種子胚特異的なエンドペプチダーゼの活性発現調節と発芽誘導に関する研究
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09660071
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三橋 渉 山形大学, 農学部, 助教授 (50192761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
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Keywords | エンドペプチダーゼ / 乾燥種子 / 胚 / 発芽 |
Research Abstract |
トウモロコシ(Zea mays L.dentcorn cv.W64A)乾燥種子に高いプロテイナーゼ活性が検出された。同活性は胚(胚盤を含む)で高く,胚乳や糊粉層では検出されなかった。本酵素の発芽種子胚での役割は,現在までこのような胚特異的なプロテイナーゼの報告がないこと,同活性が種子吸水後48時間で殆ど消失すること等から,発芽制御とも関連して興味深い。因みに同種子の発芽は吸水後72時間目以降に起こることを確認している。 同活性のアイソザイムの確認のためをゼラチンを基質として活性染色を行なった場合,10%ゲル非変性電気泳動上でRf値0.45の1本の主要なバンドが検出された。本酵素はプロテアーゼの特異的阻害剤の効果からトリプシン様セリンプロテアーゼであると考えられた。また,同酵素活性は不安定で,特に粗酵素を用いた場合,定性的・定量的な取り扱いが困難であった。特に,EDTAを加えた場合,有意な活性の上昇が観察されるが,この上昇は金属イオンの添加実験から金属キレートの直接的な結果ではないことが示唆されている。 次に,特異的抗体を作成する目的で本酵素の精製を行なった。粗酵素液からの45〜65%飽和硫安沈殿の脱塩分画では少なくとも活性染色上安定した活性を検出できるようになった。同画分をイオン交換クロマトグラフィー,ゲル濾過クロマトグラフィー,疎水性クロマトグラフィー,非変性ゲル電気泳動ゲルの切り出し等の各種組み合わせ,親和性クロマトグラフィーの導入も行ない分画したところ,いずれの標品においてもSDS-変性電気泳動上で分子マス45〜65kDの15本程度のペプチドが検出された。このことから,本酵素は少なくともin vitroではこれらのペプチドと複合体を形成していると考えられた。
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