1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660092
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森嶋 伊佐夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (30032296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
|
Keywords | セクロピン / リゾチーム / アタシン / ペプチドグリカン / 抗菌性タンパク質 / 生体防御 / カイコ |
Research Abstract |
1. エリ蚕のアタシンとリゾチームの単離とその性質 エリ蚕(Samia cynthia ricini)免疫化体液より,抗菌性タンパク質アタシンとリゾチームを単離した.アタシンの単離はセクロピア蚕のものに次いで2例目であり,そのN-末端アミノ酸配列は,セクロピア蚕のものと高いホモロジーを有していた.抗菌スペクトルその他の性質もセクロピア蚕ものと類似していた.また,リゾチームのN-末端アミノ酸配列もセクロピア蚕のものと特に類似していた. 2. バクテリア感染によってエリ蚕で誘導される遺伝子の検索と同定 バクテリアを接種したエリ蚕脂肪体に特異的に誘導される遺伝子をDifferential display法によって検索し,セクロピア蚕のリゾチーム並びにカイコのセクロピンB遺伝子とそれぞれ高いホモロジーを有する数種のDNA断片を得た.これらをプローブとしてリゾチームcDNAをクローニングしその塩基配列を決定した.その他にもバクテリア感染によって特異的に誘導される数種のDNA断片を得ており,これらの遺伝子のクローニングを進めている. 3. ペプチドグリカン認識タンパク質の精製とその性質 カイコ体液にペプチドグリカンと特異的に結合するタンパク質が存在することを,^<125>I-ペプチドグリカンを用いたフォトアフィニティー標識法により明らかにした.ペプチドグリカンとの結合特性,結合に対する金属イオンの影響などこのタンパク質の性質について検討した. 4. カイコの成長・変態に伴うセクロピンおよびリゾチーム遺伝子の発現 胚から成虫までの発生の各段階で,セクロピンおよびリゾチーム遺伝子の発現をノーザンハイブリダイゼイションにより調べたところ,幼虫および蛹の脱皮時期に脂肪体でセクロピン遺伝子が発現していることを見いだした.
|
-
[Publications] Iketani M.: "Minimum structure of peptidoglycan required for induction of antibacterial protein synthesis in the silkworm,Bombyx mori" Insect Biochem.Molec.Biol.,. 29(1). 19-24 (1999)
-
[Publications] Morishima,I: "Techniques in Insect Immunology" SOS Publishers,Fair Haven,NJ,USA., 304 (1998)