1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660092
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森嶋 伊佐夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (30032296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
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Keywords | カイコ / エリ蚕 / 生体防御 / ペプチドグリカン / 抗菌性タンパク質 / アタシン / セクロピン / リゾチーム |
Research Abstract |
1.ペプチドグリカン認識タンパク質の単離とその性質 カイコ免疫化体液から,ペプチドグリカン(PG)と特異的に結合するタンパク質を単離した.このタンパク質は,分子量37Kdで,そのN-末端アミノ酸配列は既知のタンパク質との相同性が無く,新規のPG認識タンパク質であると思われる.また,PG及びその構造類似多糖との結合特異性は,抗菌性タンパク質誘導の場合と一致した. 2.抗菌性タンパク質遺伝子発現誘導に関わるシグナル伝達系の解明 カイコ脂肪体がPGをバクテリア侵入のシグナルとして認識した後の情報伝達に,エイコサノイドが関与していることを既に明らかにしている.そこで,どの様なエイコサノイドが関与しているかを明らかにするために,様々なエイコサノイド生合成酵素の特異的阻害剤を用いてPGによる抗菌性タンパク質遺伝子発現誘導に対する影響を検討したところ,プロスタグランディンとロイコトリエンの両方が関与していることが明らかになった. 3.エリ蚕アタシンcDNAのクローニングとその発現 既に明らかにしたエリ蚕アタシンのアミノ酸配列を基に作成したDNA断片をプローブとして,免疫化エリ蚕脂肪体cDNAライブラリーをスクリーニングし,アタシンcDNAを単離し,その全塩基配列を決定した.このcDNAをプローブとしてノザンブロットハイブリダイゼイションを行い、アタシン遺伝子が脂肪体と血球で特異的に発現しおり,脂肪体ではバクテリア感染後12時間でその発現が最大になることを明らかにした.
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