1997 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性を有する脱水素型ジケトピペラジンの生合成酵素系の解明と物質生産への応用
Project/Area Number |
09660095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神崎 浩 岡山大学, 農学部, 助教授 (60183787)
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Keywords | Albonoursin / 生物変換 / 脱水素酵素 / 環状ジペプチド / バイオコンバージョン / 休止菌体反応 |
Research Abstract |
2,5-ジケトピペラジン類(DKP)には側鎖のα,β位が脱水素された脱水素型DKPが存在し,我々も以前にcyclo(phenylalanyl-leucine)(CFL)の両側鎖の脱水素体(albonoursin)を,放線菌Streptomyces sp.KO2388株の培養物より単離した。今回,CFLを,その構造からalbonoursin生合成前駆体と推測し,培養2日目のKO2388株培養液にCFLを添加し、さらに2日間培養したところalbonoursin生成の急激な増加が,基質の添加量に応じて観察された。さらに休止菌体反応でもCFLからalbonoursinへの変換が認められ,その反応の最適温度は50℃,最適pHは10.0であった。以上の結果からKO2388株がCFLからalbonoursinを合成する酵素系を有することが明らかになった。次に本菌を超音波破砕したところ,膜画分ではなく,無細胞抽出液中にこの変換酵素活性を認め,その最適pH(8.0),最適温度(60℃),温度安定性(50℃まで)を決定した。pH8.0,50℃で変換反応を行ったところ,1000mg/lのCFLから620mg/lのalbonoursinが生成した。次に基質をCFL以外のDKP,すなわちcyclo(Gly-Phe),cyclo(Ala-Phe),cyclo(Phe-Val),cyclo(Phe-Phe),cyclo(Phe-Ser)に変えて反応を行ったところ,全ての反応液抽出物中にUV吸収波形から側鎖の両側または片側が脱水素されたと考えられる化合物の生成が認められた。
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