1997 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の生産するセロデキストリン、セロビオースホスホリラーゼの利用
Project/Area Number |
09660101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081537)
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Keywords | ホスホリラーゼ / セロビオース / セロデキストリン / Clostridium |
Research Abstract |
セロビオース及びセロデキストリンホスホリラーゼはセロビオース及びセロデキストリンを加リン酸分解してグルコース1リン酸を生成する酵素である.未だ完全な精製例が無いClostridium thermocellumセロビオース及びセロデキストリンホスホリラーゼの精製を行い,それぞれを電気泳動的に均一に分取することに成功した.さらに,セロデキストリンホスホリラーゼ遺伝子をクローニングをし,大腸菌における発現にも成功した.発現量は実にClostridium thermocellumの400倍であった.本研究は以上の成果の上にたち,本菌のセロビオースホスホリラーゼ遺伝子のクローニングと塩基配列の決定を行った.一次構造の情報を基にして合成プローブを作成し,コロニーハイブリダイゼーション法により,セロビオースホスホリラーゼ遺伝子のクローニングに成功した.本酵素遺伝子は2421bpのオープンリーディングフレームを有し,807アミノ酸残基からなる事を明らかにした.遺伝子の大腸菌における発現を行ったところ,高発現に成功した.発現量は実にClostridium thermocellumの30倍であった.ついで,両酵素を大腸菌で大量発現させ,精製酵素を得た.これらの酵素とポテトα-グルカンホスホリラーゼを組み合わせ,澱粉からセロオリゴ糖の生産を試みたところ,収率25%以上でオリゴ糖を得た.この反応を逆に回せば,セルロースから食用マルトオリゴ糖の合成が可能となる.
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