1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山さき 眞狩 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60011889)
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Keywords | サチライシンYaB / 才子アルカリ性バケルス / プロ体(プロテアーゼの) / 枯草菌 |
Research Abstract |
好アルカリ性Bacillus sp.の生産するサチライシンYaBは枯草菌菌体外アルカリ性プロテアーゼ、サチライシンBPN'とアミノ酸レベルで55%のホモロジーを有し、共にプレ・プロペプチドを持つ前駆体として生合成されプロ体が培地中に分泌される。プロ体分子内で酵素の自触作用で成熟体、即ち活性型酵素になる。然るにサチライシン族酵素では、まだ何人もこの分泌されたプロ体の単離ならびにその構造決定に成功していない。サチライシンBPN'に於いてはプロ配列は活性型酵素の構造形成のガイド配列として機能しているという多くの情況証拠があるのでプロ体の構造解析は是非とも必要である。本研究ではサチライシンYaBを独自の材料としてプロ体の単離とその構造を明らかにしようとした。 プロ体を得るためには活性中心変異体を作成しなくてはならない。自触作用が働かず成熟体が生じないためである。サチライシンYaB活性中心変異体(Ser214Cys)をコードする遺伝子を調製し、これを枯草菌用プラスミド上に乗せた。この際、IPTG添加で誘導可能なspacプロモーターを付けたものと付けないものの2種の構築を行なった。プロ体はプロテアーゼにより分解を受けやすい可能性を考慮して宿主菌としては、枯草菌の主要菌体外プロテアーゼ2種の欠損変異株DB104および6種の菌体外プロテアーゼ欠損変異株WB600を用いた。上記プラスミドを枯草菌宿主に導入してサチライシンYaBプロ体の生成をウエスタンブロティングにより調べたところ宿主にWB600株を用い、培地にIPTGを添加した時にのみ培養液中にゲル電気泳動で52kdの分子量を示すプロ体と思われる蛋白質バンドを検出した。この蛋白質を多量に得るためにスケールアップ並びにIPTG添加時期・方法などを検討したがいずれもうまく行かなかった。現状ではL字管培養でL字管の数を増やして培養しプロ体を精製・取得しようとしている。
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