1998 Fiscal Year Annual Research Report
氷核活性細菌が生産する氷核活性物質の氷核生成機構の解析
Project/Area Number |
09660105
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小幡 斉 関西大学, 工学部, 教授 (00067646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山出 和弘 関西大学, 工学部, 専任講師 (40158233)
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Keywords | Erwinia / 菌体外氷核物質 / 氷核形成温度 / 氷核タンパク質 / 酵母エキス / DCCD |
Research Abstract |
氷核活性細菌,Erwinia uredovora KUIN-3由来の菌体外氷核活性物質(EIM;Extrace11ular Ice-nucleating Matter)の培地中への分泌は,Ice-nucleation培地中の酵母エキスの濃度に比例して増大し,EIMのクラスA,BとCの全ての構造の分泌が活性化された。この分泌量は,ELISA法を用いることによって,氷核形成温度,T_<50>(℃)で示すことができた。この分泌に関与している培地成分について調べたところ,アミノ酸のリシンであることが明らかとなった。リシンの添加によって,EIM中のポリアミン含有量が変化し,それによってEIMの表面電荷が5.2から4.9に変化した。カダベリン添加によっても,表面電荷が変化し,EIMの分泌量が増大した。 これらの結果から,氷核タンパク質(INP;Ice-Nucleating Protein)の凝集体の表面電荷は,INPの移動およびEIMの分泌に重要であることがわかった。この分泌,特にクラスB構造の分泌は,H^+-ATPaseの阻害剤であるN,N'-dicyclohexylcarbodiimide(DCCD)によって著しく阻害され,この分泌にATPが必要であることが明らかとなった。エネルギーが培地中へのEIMの分泌に必要であり,周りのいくつかの化合物を減少させることによって,細胞表面のINPの生産も制御できる可能性を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hitoshi Obata,Hitoshi Ishigaki,Hidehisa Kawahara and Kazuhiro Yamade: "Purification and Characterization of a Novel Cold-regulated Protein from an Ice-nucleating Bacterium,Pseudomonas fluorescens KUIN-1" Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 62・11. 2091-2097 (1998)
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[Publications] Hidehisa Kawahara,Mariko Matsushita,Kazuhiro Yamade and Hitoshi Obata: "The Control of the Production and Secretion of Extracellular Ice-nucleating Materials of Erwinia uredovora KUIN-3" Biocontrol Science. (in press). (1999)