1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規な微生物起源フラクトキナーゼの分析酵素への応用ならびに基礎研究
Project/Area Number |
09660107
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Research Institution | Kumamoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
新 隆志 熊本工業大学, 工学部, 教授 (50179066)
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Keywords | フラクトース / フラクトキナーゼ |
Research Abstract |
本研究は新規なフラクトキナーゼの発見を出発点に,酵素の基礎ならびに応用研究を行ったもので,本年度の研究成果は以下のとおりである。 1.フラクトキナーゼの構造と機能解析:昨年度に精製した酵素のN末端アミノ酸配列分析を行い,26残基を明らかにした。本配列に基ずき,PCR用センスプライマー4種,アンチセンスプライマー3種を合成し,酵素生産菌ゲノムDNAを鋳型としてゲノムPCRを行った。次いで,精製増幅断片のDNA末端の平滑化処理,リン酸化処理を行った後,pBluescript II Sk^+(EcoRV)にサブクローニングし,B/W法でスクリーニングした。その結果,9クローンにPCR反応で増幅された断片の挿入を確認した。挿入断片の解析の結果,両端にプライマーの塩基配列が確認され,中間の10アミノ酸残基に相当する30塩基の配列も,酵素N末端アミノ酸配列と完全に一致し,そのネイティブ配列(33塩基)を明らかにした。ネイティブ配列をブローブとした2種のビオチン標識合成ヌクレオチドプローブを用い,酵素生産菌ゲノムDNAライブラリーよりスクリーニングした結果,約5000個中15個の陽性プラークを得た。サブクローニングの結果,全長約11Kbpのプラスミド(pIRC71106)を得た。pIRC71106は,約9Kbpの生産菌ゲノムを保持しており,プライマーより6Kbp→8Kbpに酵素構造遺伝子を有していた。このプラスミドをプライマーウォーキング法にてDNA両鎖塩基配列を決定した。この配列にホモロジーを有する既知配列はなかった。2.組み換え体の作成を試み,3クローンがガラクトシダーゼに結合したクローンであることを確認した。発現検討の結果,発現は確認されたが,その発現レベルは非常に低いことが判明した。3.酵素の応用研究:所期の計画どうり,検査薬としての実用性を確認することができた。
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Research Products
(1 results)