1997 Fiscal Year Annual Research Report
NMRの新手法の開発とその天然有機化合物構造解析への応用研究
Project/Area Number |
09660110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
降旗 一夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (20219091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10130303)
大久保 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20111479)
山崎 素直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011982)
瀬戸 治男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10013335)
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Keywords | 3D-Jreso-HMBC / CT-HMBC |
Research Abstract |
平成9年度の研究は、ほぼ計画どうりに進行し、三次元-NMRを含めた新しい測定法の理論的解明と新しい測定に必要なパルス系列の設計、更にハードウエアの改良はほぼ終了した。そして、新しく開発した3D-Jreso-HMBC法とCT-HMBC法に実用化に向けての検討の段階にはいった。またこれらの測定法から得られたデータに対して、新しいデータ処理法を開発し検討を加える作業にもはいった。 新しく開発した3D-Jreso-HMBC法は、従来法では観測できないスピン系でのプロトン-プロトンのスピン結合定数の観測を目的とし、更に従来型HMBCスペクトルをも同時に観測しすることを目指した方法である。既にポリケタイド抗生物質ポートミシンに対して、適用した結果、従来法では観測できないスピン結合定数の観測を可能とし、また、従来型HMBC法では観測しにくいブロードなシグナルやスピン結合定数の小さなシグナルからのクロスピークの観測を可能にし、実用化への展望を持つことができた。そして、更に複雑な有機化合物の構造決定への応用を検討中である。CT-HMBC法は、従来型HMBC法スペクトルにおいては大きな問題であった、化学シフトの分離の悪いシグナルの帰属法として開発した。 現在開発中である三次元NMR法は、膨大なコンピューター計算メモリを必要とする。この問題はRAMディスク仮装メモリーを導入して解決した。NMRの測定時間の短縮、データ処理時間の短縮、スペクトルの質の向上が大きな問題であるが、この問題を解決するために、Linear Prediction法の導入を検討している。また、少しでもS/Nの向上をはかるために、従来型のデータ処理法に対して、新しい処理法の展開を試みている。
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[Publications] Kazuo Furihata: "A Novel Substance with TGF-like Activity,Diheteropeptin,Produced by a Fungus,Diheterospora,sp." Tetrahedron Letters.38. 7076-7082 (1997)
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[Publications] Kazuo Furihata: "Structure of Kaitocephalin,A Novel Glutamate Receptor Antagonist Produced by Eupenicillium shearii" The Journal of Antibiotics.50. 1058-1060 (1997)