1997 Fiscal Year Annual Research Report
有用な生体触媒反応の探索および生物活性物質の合成研究への応用
Project/Area Number |
09660120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須貝 威 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60171120)
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Keywords | リパーゼ / フェリエ反応 / グリカ-ル / 位置選択的保護 / 〔3,3〕-シグマトロピー転位 / アミノ糖 |
Research Abstract |
N-アセチルアロサミンの簡便合成法の開発 N-アセチルアロサミン(1)は、アロサミジン(2)の構成成分である。著者らは、酵素法と化学法を組み合わせた短工程合成を行った。 トリアセチルグルカ-ル(3)から出発しフェリエ反応によって得たジオール(4)に対し、位置選択的にアセチル基を導入する、脂肪分解酵素(リパーゼ)を種々検討した。その結果、天野製薬のリパーゼPSを、酢酸ビニル中作用させることによって、高収率で目的物5を得ることが可能となった。この反応は、いくつかの類縁体に対しても同様に有効であった。 5より誘導したトリクロロアセトイミダ-ト(6)の〔3,3〕-シグマトロピー転位反応に関して、従来、1位がα配向の類似化合物においては、立体障害のため起こりにくいと報告されてきたが、ジフェニルエーテル中、210℃という高温にて、目的とする転位体(7)を得ることができた。210℃まで、一挙に反応温度を上げ、短時間で反応を停止すること、系内の水分を徹底的に除去することが必須であった。 7に対するジヒドロキシル化反応によって、目的とするアロ型誘導体(8)をガラクト型誘導体(9)に対し、11:1の比で得ることができた。主生成物(8)を脱保護し、N-アセチルアロサミン(1)へと導いた。
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