1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予防因子:メナキノン-4の細胞内分布とその新しい生理機能の解明
Project/Area Number |
09660127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
駒井 三千夫 東北大学, 農学部, 助教授 (80143022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道子 東北大学, 農学部, 教務職員 (60250734)
古川 勇次 東北大学, 農学部, 教授 (60005626)
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Keywords | ビタミンK / メナキノン-4 / 膵臓 / 顎下腺 / ミクロソーム / ミトコンドリア / ラット |
Research Abstract |
メナキノン4(MK-4)には、骨粗鬆症予防効果があることが最近確認されてきたことから、MK-4は肝臓における血液凝固因子の活性化作用(凝固因子タンパク質のGla化)以外の重要な生理機能を、多くの組織において果たしている可能性が強く示唆されてきている。これまでの研究で、MK-4は消化管内では存在しないかあるいは極めて少量にしか存在しないが(腸内細菌叢は、MK-6〜MK-13程度のイソプレン側鎖を持ったMK類を作っていることを証明した)、肝臓以外の主要組織中(脳、精巣、腎臓、膵臓など)では比較的多量に存在しているという興味ある知見を示してきた。最も不思議なことは、ML-4は凝固因子生成の場である肝臓には少なくて、その他の多くの臓器に比較的多量に存在していることである。このため今回、MK-4の生成機構を明らかにしたり、主要組織中のその細胞内局在を明らかにするための検討を行った。 その結果、Wistar系ラットを用いて各組織内のMK-4の細胞内分布について検討したところ、膵臓ではミクロソーム画分に多く存在し、顎下腺ではミクロソーム画分とミトコンドリア画分に同量程度存在していることがわかった。このことから、特定の画分がMK-4の貯蔵部位である可能性は低いと考えられ、MK-4はそれぞれの細胞内部位で血液凝固以外の、細胞内で必須の基本的な機能を果たしているものと考えられた。また、MK-4が比較的多量に存在する顎下腺の組織学的観察結果から、ビタミンK欠乏時には粘液線と漿液線の両方の細胞ならびに組織構築に異常がみられたことから、MK-4の欠乏が各組織の細胞内機能を著しく損なうことが予測された。今後の研究では、細胞内機能の詳細について検討する必要があろう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 猪飼秀行, 駒井三千夫, 古川勇次 他: "ラットのビタミンK欠乏の程度とメナキノン-4の生体内分布" ビタミン. 71(4). 190-190 (1997)
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[Publications] 駒井三千夫, 古川勇次, 木村修一: "ラットの生体内におけるビタミンK_1からメナキノン-4の生成機構" ビタミン. 71(9). 445-446 (1997)
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[Publications] 駒井三千夫, 古川勇次, 他: "ビタミンK_1,K_2,K_3経口投与後の組織内メナキノン-4量の増加とその生成構構" ビタミン. 72(2). 57-58 (1998)
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[Publications] Ikai,H., Komai,M., ほか: "Germfree Life and its Ramifications(P.P.447-450)" Hashimoto,K.ほか編(XII ISG Publishing Committee)(分担), 596 (1997)
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[Publications] Komai,M., Furukawa,Y., et al.: "Abstract of 16th International Congress of Nutrition(P.124)" The International(lmion of Nutritional Sciences., 447 (1997)