1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予防因子:メナキノン-4の細胞内分布とその新しい生理機能の解明
Project/Area Number |
09660127
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
駒井 三千夫 東北大学, 農学部, 助教授 (80143022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道子 東北大学, 農学部, 教務職員 (60250734)
古川 勇次 東北大学, 農学部, 教授 (60005626)
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Keywords | ビタミンK / メナキノン-4 / ミクロソーム / ゲラニルゲラニル-二リン酸 / 還元型ビタミンK_1 / ビタミンK_3 / ラット |
Research Abstract |
ビタミンK_2の一種であるメナキノン-4(MK-4)には、破骨細胞のアポトーシス誘導作用などを介した骨粗鬆症予防効果があることが、最近になって確かめられてきた。したがってMK-4は、肝臓における血液凝固因子の活性化作用(凝固因子タンパク質のGla化)の他にも、骨組織におけると同様な細胞の維持に重要な生理機能を多くの組織において果たしている可能性が示唆されてきている。我々のこれまでの研究で、ナフトキノン骨格が共通しているあらゆるビタミンK同族体が組織内でその一部がMK-4に変換されることを示してきた。しかし、この変換の機構や生理的意義については、国の内外を問わずあまり検討されてきていない現状にある。そこで本研究は、主要臓器におけるMK-4の細胞内分布とその変換機構を探ることによって、MK-4の新しい生理機能を明らかにすることを目的に企画された。細胞内分布については、腎臓を細胞分画し各画分におけるMK-4生成能を、当教室で開発したin vitro反応系で調べることにより、MK-4生成活性の高いオルガネラとしてミクロソーム画分を推定した。新しい生理機能の解明は、この変換がどのような反応機構で行われているのかを明らかにすることと、変換酵素の単離ならびにその機能を調べることことによって進めてきたが、本年度までの研究では、変換の化学反応的機構の一部を明らかにすることができた。すなわち、ビタミンK_1は一旦還元型(ジヒドロキシK_1)になってから、そのフィチル側鎖をまるごと解離して、K_3あるいはその還元型になり、組織内に存在するゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)を導入して行われるものと推定される結果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 駒井三千夫,古川勇次,他: "ビタミンK_1,K_2,K_3経口投与後の組織内メナキノン-4量の増加のその生成機構" ビタミン. 72・2. 57-58 (1998)
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[Publications] 江尻昌弘,駒井三千夫,古川勇次,他: "ビタミンK_1からメナキノン-4への変換に関する研究" ビタミン. 72・4. 168-168 (1998)
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[Publications] 駒井三千夫,古川勇次,他: "ビタミンKの代謝と体内動態" Clinical Calcium. 9・7 (編集中). (1999)