1998 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病の基盤要因となる褐色脂肪組織体熱産生機能不全の再生機構の解析
Project/Area Number |
09660136
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10177701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 助手 (80213148)
伏木 亨 京都大学, 農学研究科, 教授 (20135544)
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Keywords | 脂肪組織 / 肥満 / 褐色脂肪細胞 / 遺伝子発現 / 成人病 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
肥満という身体状況を基盤として高脂血症、糖尿病、高血圧、動脈硬化症など多くの病態(生活習慣病)が発症し、また増悪することは良く知られた事実である。このような肥満の第一義的な要因としては、摂食コントロール破綻によるエネルギーの過剰摂取ならびに体熱産生機能不全によるエネルギー消費の低下が指摘されている。本研究においては、上記のような肥満発症及び改善の鍵を握る体熱産生器官である褐色脂肪組織の機能不全の発生機構を培養細胞を用いて解析すると共に、褐色脂肪細胞機能を制御する因子の解析を行い、肥満症予防・改善のための新しい分子栄養学的基礎研究の方向性を提示することを目的とした。 本研究においては、ラットおよびマウスなどの実験動物を用いて、体熱産生器官である褐色脂肪組織の機能を亢進する食事性および天然物由来因子の評価系の確立と検索を摂食実験によって行った。その結果、ラットなどの実験動物褐色脂肪組織の体熱産生の機能タンパク質である脱共役タンパク質(UCP)のタンパクおよび遺伝子の発現を強く亢進する食事性因子として不飽和脂肪酸、特に高度不飽和脂肪酸を多量に含む魚油成分を見いだした。本化合物は、特に褐色脂肪組織においてUCPサブタイプのうちUCP2を強く誘導し、その結果として生活習慣病の発生要因と考えられている腸管膜脂肪などの内臓脂肪の蓄積抑制の効果をもたらし生活習慣病予防に極めて有効であることを明らかにした。本研究の成果は、栄養学領域での重要課題である脂質代謝異常に伴う病態の発生機構と改善方法の解明に新しい視点からの研究基盤をもたらすとともに、予防医学、健康医学上極めて社会的意義あるものと考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hida et al: "Counteraction of retinoic acid and 1,25-dihydroxyvitamin D_3 on up-regulation of adipocyte differentiation with PDAR γ ligand,an antidiabetic the Zolidinedione in 3TSC1" Life Sciences. 62. PG205-211 (1998)
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[Publications] T.Kawada et al: "Fish(Bonito)oil supplimentation enhances the expression of uncoupling protein in brown adipose tissue of rats." J.Agric.Food Chem.46. 1225-1227 (1998)
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[Publications] T.Yoshida et al.: "B3-Adrenergic agonist induces a fnctionally active uncoupling protein infat and slow-twitch muscle fihers" Am.J.Physiol.274. E469-E475 (1998)
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[Publications] Y.Oi et al: "Allyl-containing sulfides ingarlic increase uncoupling protein content in brown adipose tissue,and noradrenaline and adrenaline secretion in rats" J.Nuth. 129. 336-342 (1999)
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[Publications] 河田 照雄: "脂質代謝制御関連核内レセプター" 日本臨床. 56. 1722-1728 (1998)
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[Publications] 河田照雄: "人体のエネルギー代謝-脂肪細胞分化" 最新医学. 54. 56-66 (1999)