1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660147
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
亀田 清 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (60104626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (90210690)
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Keywords | ヘブンリーブルーアントシアニン / 多アシル化アントシアニン / 分子内会合 / UV-B / 光異性化 / Z-コーヒー酸 |
Research Abstract |
アントシアニンは、安全な食品着色料であるばかりか、抗酸化、発癌抑制、免疫賦活などの高機能性も期待できる次世代の天然着色料である。一方、生殖器官である花が強い太陽光のもとで長時間咲いても何ら遺伝的障害が起きない理由として、フラボノイド系色素による紫外線防御機能が推定できる。この機能は、アントシアニンの生体機能として、基礎科学的にも極めて興味深いものであり、さらに、高機能性食用着色料の開発の観点からも重要である。本研究では、多アシル化アントシアニンの光防御作用について、平面構造のみならず、高次構造との関係を明らかにして、その機構を化学的に明らかにすることを目的として行なった。 1. HBAの光異性化体の構造 空色西洋アサガオ花弁色素ヘブンリーブルーアントシアニン(HBA)の0.5%トリフルオロ酢酸含有メタノール溶液に紫外光を照射し、生成した3種の化合物を単離した。これらを機器分析により構造決定した。分子内に3残基存在するコーヒー酸のうち、2残基のコーヒー酸がシス体へと異性化した色素であることがわかった。 2. HBAの紫外光照射下における安定性 HBAをpHの異なる緩衝液に溶解して5x10^<-5>M溶液とし、紫外光を照射した。同時に暗所における安定性を調べた。暗所では予想通り強酸性溶液が最も安定で、中性付近のpH6〜8では不安定であったが、紫外光照射下ではその逆に生理条件のpH7.5〜8が最も安定で、強酸性溶液は、速やかに分解退色した。
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